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メンテナンスに欠かせない時計工具

大好きな時計を楽しむために必要な道具をそろえよう

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。

今回は、時計メンテナンスライフを支える工具について書いていく。

時計に限らず、私の考える「いい物」とは手をかけることで、長く使えるものである。

確かに手入れ不要で長く使えるものも存在はする。

しかし、それは大抵の場合、新品が最高の状態であり、徐々に消耗していくものが多い。

メンテナンスしながら長く使えるものは、メンテンナンスをすることで、60~80%ぐらいの状態を常に保つことができる。

それでも寿命は存在するが、結果的に満足度が高いものが多いと感じている。

そして、どのようにモノと付き合うかを考えて、どこまでを自分でメンテナンスするかを決めよう。

つまるところモノは道具であり、消耗品なので使用者の考え方が最も重要である。

時計で言えば、ロレックスをノーメンテナンスで使用し、3~5年後に売却を繰り返しても問題ない。

1,000円で買ったファッション時計をメンテナンスしながら10年以上使ってもよい。

はてまた、オーダーメイドの時計を一人の時計師に見続けてもらうのもいいだろう。

そんな、時計との付き合い方に合わせて、必要な工具を紹介していきたいと思う。

一切のメンテナンスを自ら行わない場合は、以下の工具を準備する必要はない。

しかし、わざわざ時計を持ち歩くぐらいなら、簡単な清掃くらいは自らやっておきたい。

そのため、今回は1~4のレベルに分けて準備したい工具を説明する。

マニアレベル1:時計好きならもっておきたい工具

まずはレベル1の工具たちだ。

時計が好きであれば持っていてもよいと思う。

簡単な清掃と調整工具たち。

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拭き掃除はメンテナンスの基本ウェス

まずは時計を拭くための布である。

時計は肌に直に身に着けるものであるため、皮脂汚れやほこりがたまりやすい。

即故障につながるようなことはないが、表面を拭いてきれいな状態を保っておこう。

やはり磨かれた時計は気持ちいい。

手に入りやすいのは眼鏡拭きなどがいいだろう。

なぜか、時計店は眼鏡店を併設している。

理由は定かではないが、使用する工具や技術が似通っているのだろう。

小型の高級実用品であるといいう位置づけも近いものがある。

他にも金属磨きやセーム革などの貴金属用のものも流用できるので、それらを準備しよう。

使い捨てがいいという人はカメラのレンズクリーナーでもいいだろう。

私の場合は専ら眼鏡拭きを使用している。

細かい傷はコンパウンドで消す

時計を使用しているとケースや外装に細かい傷がついていく。

こればっかりはどうしようもない。

どんなにに気を付けていても、いつかは傷がついていく。

これも個人差があるが、必要以上に気にしないことが重要だ。

傷がないことを求めるのではなく、どこまで傷を許容するかがとても重要である。

傷消しの主なものとしてはコンパウンドが存在する。

大抵はケースの傷消しとなるので金属磨き用のコンパウンドがおすすめだ。

有名なものだとピカールあたりは、ステンレスの研磨用として有名だ。

サンエーパールはプラスチック用の研磨剤で、アクリル風防などに使用できる。

研磨による傷消しの注意点がいくつかある。

  • 金メッキ部などは強く研磨しないほうが良い
  • アクリル風防以外の研磨は大変

理由は簡単で金貼りや金メッキは強く研磨し続けると下地が見えてしまうからだ。

ケースについては剥げた金メッキや金貼りは見た目が厳しいものになりやすい。

基本的にメンテナンスするなら無垢材のケースを選択しよう。

価格的にステンレスケースが多くなるだろう。

次に風防であるが、主に4種類存在する。

  • アクリル(プラスチック)
  • 無機ガラス
  • ハードレックス
  • サファイアガラス

この中で、コンパウンドで研磨が簡単なのはアクリル風防である。

アクリル風防はアンティーク時計に多く、傷つきやすいが同時に研磨しやすい。

まれにアクリルガラスと表現されるが、実際はプラスチックである。

私はこのアクリル風防が大好きである。

まさにメンテナンスして使うというコンセプトにぴったりの素材だからである。

価格自体も高額ではなく、使い捨てにも耐えうる素晴らしい素材だ。

しかしながら、「傷がつきやすい」点が嫌気されたのか、実際に1960年代ごろから少なくなってきた。

アクリル風防にとって代わったのがガラス風防やハードレックスなどの強化ガラス風防である。

これらを使用することで、多少の取り扱いで傷だらけになるということはなくなった。

しかし、一方で傷がつきにくいということは研磨しにくいということでもある。

事実、金属磨きコンパウンド程度で研磨することはほとんどできない。

そうかといって、通常使用で傷がつかないわけではないといった中途半端な仕様である。

強化ガラス風防はそのような意味で、研磨が難しい素材である。

別途、ハードレックスガラスの研磨記事を書いたのでそちらを参照してほしい

もし風防のメンテナンスフリーを目指すならサファイアガラス一択である。

サファイアガラスの主な特徴は、その硬さである。

ダイヤモンドに次ぐその硬度はほとんどの場合、傷をつけることはできない。

サファイアガラスに傷をつけるような扱いは、時計を乱暴に扱いすぎているとしか言えない。

デメリットとしてはそのコストと形状の自由度が限られていることである。

しかし、サファイアガラスが選べるならば、選ばない手はない。

そのくらい硬く、傷がつきにくい。

さらに言うなら通常のガラスとは反射率が異なるため、雰囲気も違ったものになる。

ベルト交換に必要なバネ棒はずし

時計の重要なパーツの一つとしてベルトがある。

その面積は時計本体よりも大きく、印象への影響が大きい。

時計を保持するという機能も持っているため、自分になったものを選びたい。

しかしながら、気に入った時計のベルトが、自分にとって最適なベルトであるとは限らない。

そんな時はベルト交換が気楽にできるようバネ棒はずしを1本持っておきたい。

これがあれば、メタルベルトからレザーベルト、ナイロンベルトまで自由自在に着脱できる。

特に難しい作業でないので、時計好きなら持っておいて損はないだろう。

工具そのものも、高級なものは必要ない。

メタルベルトの調整にコマ調整工具

ベルトを交換する際に、バネ棒はずしと併せて持っておきたいのが、コマ調整工具だ。

レザーベルトは大抵の場合アジャスター、つまりは調整用の穴が開いている。

しかしメタルベルトについては、腕周りの調整にコマの調整が必要になる。

メタルベルトの調整コマは、ピン圧入の場合が多いためこの工具でピンを抜く必要がある。

こちらも特に購入なものでなくてもよいので、1つ持っていると楽しめるだろう。

これで、ほぼすべてのベルトを着脱、調整可能となる。

ここまでは、時計好きなら特に悩まず準備してもよいだろう。

十分に通常使用の範囲に入る工具であると考えている。

マニアレベル2:ムーブメントを見たいなら持っておきたい工具

ここから先は、準備するかどうかをよく考えた方がよいだろう。

なぜなら、通常の使用において必要ないものも多く、出番も少ないからだ。

より深く時計とかかわっていきたい場合のみ検討しよう。

細かい部品を確認する拡大鏡キズミ

時計とは基本的に肉眼で確認すればよい。

なぜなら、拡大鏡で見ようものなら、見なくてもいいアラが見えてくるからだ。

細かい傷に、ごみ、埃、わずかなズレなどまさに知らぬが仏である。

このレベルが必要な人は、通常の使用の範囲を超えていると自覚しよう。

ただし、時計部品はとても小さい。

部品単位で目視確認が必要な場合は、キズミが必須となる。

最初は少し見るだけで、目がすごく疲れるだろう。

こんなことを仕事にしている時計師のつらさを垣間見ることができる。

また、これを使うと急激にプロっぽさがにじみ出るので、見た目から入る人にはお勧めだ。

深い傷は紙やすりで削り込む

前述した擦り傷程度の浅い傷はコンパウンドで消すことができる。

しかし、時計を長く使っていくと必ず打痕が多くついてくる。

それを味や愛着と割り切れる人はとても素敵な心の持ち主だろう。

対して、その傷を消したいと思う場合はかなりの労力を要する。

まずは紙やすりで、打痕と同等かそれ以上の削り込みを行う必要がある。

その後、徐々に目の細かいやすりで削り込み、最後はコンパウンドで仕上げる。

そうすることにより、傷を目立たなくさせることができる。

意外な効果としては、低価格帯のステンレスケースなどは磨きこむとすごみが出る。

手仕上げのポリッシュは得も言われぬ雰囲気が漂うのだ。

通常の量産品は鋳造打ちっぱなしか、機械によるポリッシュが多い。

手仕上げのポリッシュは実に贅沢な仕上げである。

注意することは、メッキやコーティングされているケースや風防はそれが剝げるので注意すること。

部品や工具の調整に精密やすり

時計の部品は小さい。そのため材料硬度が高いものが多い。

そのため、それを調整するためには精密ダイヤモンドやすりが最適だ。

これであれば理論上サファイアガラスにも傷をつけることが可能である。

主な使い方は巻き芯の長さ調整や精密ドライバーやコジアケの先端を研いだりする。

例にもれず巻き芯や工具鋼は非常に硬い部類の金属なので、ダイヤモンドやすりは重宝する。

精密ドライバーは工具鋼でできてはいるが、小さいために摩耗も早い。

特に価格の安い工具でその傾向は顕著である。

その他部妙な削値込みにも使用できるので、工具箱に1本はあってもよいと覆う。

スナップバックのオープンにはコジアケ

これはスナップバック式のケースやベゼルを開けるためだけのマニアックな道具だ。

それ以外に使用用途はあまりないので、準備するかどうかはよく考えよう。

通常、コジアケがないと外れないようなケースは、後述するハンドプレスがないと閉まらない。

コジアケを使う前にハンドプレスも併せて準備することを忘れないようにしよう。

スナップバック式は現在でも多くのモデルがあるので、電池交換などにも必須である。

アンティーク腕時計にもスナップバック式が多いので、ムーブメントを見るためにも必須工具となる。

ハンドプレスで各部品の圧入

いよいよにマニアックな工具に鳴ってきたかと思う。

時計工具の大きな壁の一つといっていいだろう。

スナップバックのケースを開けた場合は、ハンドプレスが必要になる。

そして、時計のケースを閉める以外にもできることはある。

ベゼルの圧入と防水風防の圧入だ。

以上である。他に使えたらラッキーぐらいの工具だ。

準備するために多くのお金は必要ないが、覚悟が必要になる。

はっきり言って、一般家庭にあっても邪魔でしかない。

それでも、時計がいじりたいあなたは購入をお勧めする。

いいところを書くならば、ハンドプレスがあることでダイバー風防のサファイア化ができる。

スクリューバックケースは専用オープナーで開ける

本格的な防水腕時計はスクリューバック式となっている。

大きなネジ径とゴムパッキンでとてもではないが専用工具なしには開かない。

裏ワザとしてはゴムボールなどがあるらしいが、古いものは開かないだろう。

なぜなら、汗や埃で固着している可能性があるからだ。

また、トルク管理を怠った個体はやきつきといって完全に固着している。

そうなると、ゴムの摩擦くらいでは開かない。

スクリューバックオープナーならリジットでトルクをかけることが可能だ。

注意点としてはロレックスタイプのものかセイコータイプのもので工具が異なる。

裏蓋の形状を確認して準備しよう。

ムーブメントにアクセスしたい場合は必須工具となる。

主に防水部分に使用するシリコングリス

マニアレベル3:時計を分解するなら持っておきたい工具

いよいよにここからは、機械式ムーブメントの分解を視野に入れた工具となる。

ここまでくれば、もうマニアと言わざるを得ない領域である。

通常の人には理解されないことは言うまでもない。

小さな部品はピンセットで取り扱う

腕時計の部品は他の機械部品と比べて小さいものが多い。

とてもではないが指では扱えない。

そのため、ピンセットが必須工具となる。

ケースを開けた先はピンセットの出番となる。

通常のピンセットでも問題はないが、可能であれば磁化しないものが良い。

具体的には非金属材料のピンセットである。

ただし、スタンダードではないので選択肢が狭い。

定期的に脱磁を行えばステンレスピンセットでも問題はない。

なぜピンセットが磁化してはいけないかと思うかもしれない。

別に時計そのものが磁化したピンセットで壊れるというわけではない。

ネジ部品などの小さのものの制御ができなくなるのだ。

ただでさえ小さい部品が、ピンセットから離れなくなる。

実に作業しづらいことこの上ない。

そのため作業前にピンセットを脱磁するくらいでちょうどいい。

ここには記載はないが、気が向いたら脱時機も準備してもよいだろう。

後述する精密ドライバーの脱磁にも使用できる。

蛇足であるが、ピンセットはある程度高級なものを準備すると作業がスムーズになる。

500円のピンセットと1,500円のピンセットでは強度も使い勝手も異なる。

使用頻度からしても投資する価値はあるだろう。

極小ネジの着脱に精密ドライバー

腕時計に使われる部品は小さい。

しかし、その部品を固定するネジはもっと小さい。

JIS規格のネジ径1mmのネジが大きく感じるほどだ。

しかも低頭でネジ頭も多くの種類がある。

ほとんどがレアなネジなので、通常に手に入れることも難しいだろう。

そして、そのネジを締めこむには極小の精密ねじ回しが必要である。

私の知る限りこのドライバーを使うのは、腕時計か眼鏡くらいだ。

そして最も難しいのが、締め付けトルクである。

どのくらいの力で締めこむべきかを体に覚えさせる必要がある。

振動で緩まない程度に強く、ねじ切らない程度に弱く締めこむ。

ネジ径2mm以上であればトルクドライバーで締めこむことだできる。

こればかりは、やってみるしかないので、トルクドライバーでいくつか締めこんでみるとよい。

精密ネジ用のトルクドライバーは希少かと思うので、0.1N・m程度で締めこめるトルクドライバーで感覚をつかもう。

0.1N・mの感覚をつかんだら、0.01~0.05N・m程度を狙ってネジに合わせて締めこめばよい。

万が一ねじ切ってしまうとリカバリーはかなり難しくなる。

慎重に締めこもう。

そして、大抵マイナスドライバーである。

ドライバーの噛みが甘くなったら、先端を研ぎながら調整して使用しよう。

ドライバーを滑らせずに回すことも訓練が必要だ。

最初はほとんど締めこめないだろうが慣れればだんだんとできるようになるはずだ。

ものによってはキズミを覗きながら締めることになるだろう。

集中力を必要とする作業だ。気長にやろう。

精密作業をサポートするムーブメントホルダー

先述した通り、ムーブメントの分解作業は精密を極める。

一般人が人体で作業する最小の部類に入るのではないかと思う。

そのためには、ムーブメントを安定させた状態で作業する必要がある。

そのための専用ホルダーがそれだ。

理想的には、精度の高いものが欲しくなるが、細かいことを気にしなければ安価で手に入る。

素人であれば、一つあれば十分なので、自らやすりなどで調整してもいいだろう。

ネジ式のものは締めこみすぎると時計側を破損してしまうので注意しよう。

秒針、分針、時針を取り外す剣抜き、取り付ける剣入れ

ムーブメントをケースから外して最初に分解する部分は多くの場合、針だろう。

この針は見ての通りとても繊細な部品である。

1mm以下の細さの秒針も珍しくはない。

そんな秒針は歯車の軸に圧入されている。

基本的に工具なしで抜くことは難しい。

そんな針を変形のリスクを少なく外すことができる工具が剣抜きである。

逆に抜いた針を圧入するための工具が剣入れである。

どちらもかなり特殊な工具であるが、分解するなら持っておきたいものである。

どうしても代用したい場合は、精密ドライバーやピンセットあたりだろう。

細かい汚れを振り落とす超音波洗浄機

無事ムーブメントが分解できたら、古い汚れを落とす必要がある。

これは削れた金属粉や固着した油や埃などである。

ただでさえ、細かい部品であるのに、さらにその隙間に入り込んでいる。

通常の方法では取り切れないことは想像に難くない。

そんな隙間に入り込んだ汚れを振り落としてくれるのが超音波洗浄機である。

液体を媒介として超音波振動を加えて、汚れを振り落とす装置だ。

効率的に細かい汚れや油を振り落とすことができる。

カメラの撮像素子なども同様の方法で汚れを振り落としている。

そんな便利な超音波洗浄機のデメリットとしては、振動が部品にかかることである。

接着剤や圧入が緩んでいるところ、固定されていないところにダメージを与える。

私の経験では、ヒビの入ったルビーやサファイアが砕けてなくなる。

アンクル先端にはめ込まれたルビーが外れたなどである。

あとは、電磁波が多く出ているようなので、部品が磁化する可能性がある。

そういったところでケアが必要になる。

私の場合は、アンクルは超音波洗浄機にはかけない。

軸の先端を軽く脱脂する程度で十分である。

磁化してしまっても最終的に脱磁機で脱磁対応している。

良くないとは言っても、この時代で時計をしたままスマホをいじらないなど無理な話だ。

電化製品により磁化することは前提で考えるべきだ。

併せて脱磁機もそろえておいて損はない。

蛇足だが超音波洗浄機の使用用途は意外にも広い。

眼鏡の洗浄にも使えるし、男性諸君であれば髭剃りの洗浄にも使える。

実に便利な装置なのだ。一家に一台あってもいいと思っている。

精密機械オイル、オイラー

腕時計ムーブメントを分解して、部品洗浄をしたら、いよいよ組立である。

その際に、回転部に新しいオイルを塗布する。

思わずKURE556を吹いてしまいたくなるが、専用オイルを使用しよう。

特にテンプ、アンクル、ガンギ車のトルクは小さく簡単なことで止まってしまう。

それこそ、オイルが硬かったり、オイルを足しすぎてもその抵抗で止まってしまうのだ。

そこにゴミや埃が入れば抵抗になることは想像に難くない。

時計のムーブメントが繊細だといわれるゆえんはここにある。

言い方を変えれば、1~3番車のトルクはそう簡単なことでは止まらない。

小さいとは言え、かなり強力なゼンマイが組み込まれている。

比較対象にはならないが、小さいチョロQなみのゼンマイは組み込まれている。

オイラーについては、針のようなものがあれば代用できるので好みで揃えればよいだろう。

ムーブメントの回転部品のトルクの違いを理解して、オイルを注油していこう。

トルクの簡易計算については別記事に記載しているので、参照していただければ幸いである。

マニアレベル4:時計をカスタムするなら持っておきたい工具

レベル3までで、機械式腕時計の基本的な分解、清掃、組み立てはできるだろう。

さらに深く踏み込んだ内容としてはカスタムとなる。

ただし、SEIKO MODのようにムーブメントの分解をしない場合は多くん工具は必要ない。

むしろ、専用工具はほとんど必要ないだろう。

ムーブメントを分解するよりは、カスタムのほうが簡単である。

しかしながら、本来の設計に変更を加えるという視点でレベルは上に設定してある。

元あったものは組立可能であるが、異なる部品は工夫しないと組み込めないことが多いからだ。

ネジ緩み止めロックタイト

これも一般的な工具であるので、容易に手に入るだろう。

ネジの緩み止め接着剤のことである。

ちなみに決してムーブメントのネジに使用してはいけない。

ロックタイトのトルクに耐えられるほどの強度を持っていないからである。

また、漏れだしたらムーブメントの停止はむ脱がれないだろう。

これの使いどころは巻き芯とリューズの固定である。

ムーブメントカスタムの場合、純正のリューズが使えないことがある。

大抵の巻き芯はリューズの軸にねじ込む必要がある。

しかし、リューズは操作時に回転させるため、巻き芯とリューズは緩んではいけない。

そのトルクに耐えられるようにロックタイトで固定する必要がある。

このロックタイトも家の中の緩みやすい金属ネジに使用できるので工具箱にあってもよいだろう。

部品を貼り付ける両面テープ

これまた、見慣れた材料である。

両面テープの使い道は、ムーブメントへの文字盤の貼り付けである。

カスタム文字盤は大抵の場合、ムーブメントと整合が取れない。

原因はモデルの相違だったリ、リューズ位置だったリする。

むしろぴったり合うものが見つかればラッキーだと思うほうが良い。

文字盤裏の干支足がぴったり合う場合において、不要な工具となる。

おすすめは、粘着力とはがしやすさで日東5000NSであるので参考にしてほしい。

寸法を測定するノギス

これも、その道の方には基本工具である。

主な用途は巻き芯の長さ調整である。

新品のリューズは十分な調整城を持つ。

そのため、時計ケースとリューズに応じて詰めていく必要がある。

目検討で詰めることも可能だが、数値で追うほうが効率的に詰められるだろう。

その他、ケースの大きさの実測やラグ幅の計測が容易になる。

腕時計の部品を取り扱う場合は持っておいてもよいだろう10~15cmくらいが使いやすい。

まとめ

  • 目的に応じて必要な工具をそろえる
  • 目的に応じて工具のコストを選択する
  • 高精度な工具は作業を楽しくし、技術向上をフォローしてくれる
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