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SEIKOアルピニスト850メンテナンス

緑の文字盤じゃないアルピニスト

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!

今日は大人気のアルピニスト緑のあいつの前モデルにあたるもののレストアを行う。

分解作業については動画撮影をしてみたので、そちらを参考にしてほしい。

ここでは、組み立て作業から紹介していく。

本モデルはチャンピオンベースのアルピニストだ。

分解してみると細かい部分でコストがかかったアレンジを見ることができる。

なぜそれがアルピニスト、つまりは山仕様なのかは理解できないけれど。

通常のチャンピオン860のレストアは以前書いたので、そちらとの比較を参考にしてほしい。

分解、洗浄、注油したら組立作業をする

分解、超音波洗浄したプレート回転部に時計用オイルを注油する。

1番車、2番車、3番車、4番車、ガンギ車、アンクル、テンプの順にサラサラなオイルを使おう。

ちなみに1番車はグリスが指定されていることが多い。

組立上、まずは2番車とガンギ車を配置しておく。

その後にアンクルを配置して、プレートで固定する。

この時軸が嵌まっていることを確認してからネジを締めこもう。

軸が外れたままネジを締めこむと破損する恐れがある。

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1番車は香箱と呼ばれる動力車

1番車(香箱)を設置する。特に臭いがするわけではないが、ゼンマイが入っている。

2番車もプレートで固定しておく。

テンプASSYを取り付けする。

この部品が最も繊細なので注意して設置すること。この部品が破損すると時計としての機能が失われる。

あとは難しい作業はない。3番車と4番車を設置する。

それぞれプレートで固定してムーブメントの組み付けは完了。

どれも軸が嵌まっていることを確認してからネジを締め付けること。

ここでは特にガンギ車と3番車の軸が嵌まりづらいことがある。

まあ、この時期のムーブメントは大量生産を想定していることから、比較的組みやすい。

質素ながら高品質を感じさせる作りである。

文字盤側はほとんど部品がない

では続いて文字盤側を組み立てていこう。

まあ、組み立てといっても短針と長針を回す歯車を嵌めるだけだ。

カレンダー機能やストップウォッチなど余計な機能がついていない分シンプルで美しい。

個人的な好みだが、機械式時計はノンデイトの3針手巻きが美しいと思う。

まずは、長針側、歯車のかみ合いを確認しながら、2番車の軸に圧入する。

4番車を回す歯車をはめ込む。特に固定機構はないので脱落に注意すること。

文字盤をプレートにはめ込んで、裏側の突起の干支足部分をサイドのねじ2か所で固定する。

裏面から周囲スペーサを取り付ける。これがずいぶんとしっかりしている印象だ。

長針と短針と秒針をはめ込もう。

12:00を目指してはめ込むとよい。秒針は特に気資する必要はない。

夜光塗料が塗ってあるのが、アルピニスト仕様なのだろうか。劣化しているためか今はもう光らない。

ムーブメントをケースに収めて組立完了

詳細は分解工程を確認いただければよいかと思う。

ムーブメントをケースに入れてリューズを設置、裏蓋を締めたら出来上がり。

あらかじめアクリル風防を磨きこんで傷を消しておいた。

風防がきれいなだけで、時計まで新しくなったような印象を受ける。レストアのコツとでもいったところだろうか。

風防に小さなひびがあるがこちらは特に気にしない。

気になるようであれば新品の風防に変えておこう。

実にシンプルで美しい時計であったと思う。

こんな時計が、現在でも作ってくれればよいと思う。

今後もメンテナンス情報を伝えていくのでよろしく、それではまた。

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※他機種のメンテナンスのリンクはこちら

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