初代オレンジモンスターに手巻き機能を追加
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こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!
今回はセイコーMODの定番であるムーブメント換装を実施する。
SEIKO5に属する時計たちは基本的に7S26や7S36ムーブメントを搭載している。
それを4R36やNH36に換装しようというものだ。
なぜそんなことをするのかというと、基本的には手巻き機能を追加したいからだろう。
7S26や7S36ムーブメントのゼンマイ巻き上げには自動巻き機能のみで、手巻き機能はついていない。
たしかに、毎日腕時計を使い続ける前提においては、手巻き機能は必要ない。
むしろ、故障要因の増加とコスト増加、ムーブメントに負荷をかける要因でしかない。
そのため、昭和時代のSEIKOにおいて自動巻き機構を搭載する腕時計ムーブメントの多くは、手巻き機構を搭載していなかった。これには機能、性能の誇示という側面もあっただろう。
ただし、いくつかの機械式腕時計をローテーションして使用する場合は話が変わる。
機械式時計であれば、1週間ぶりに使用する腕時計は当然止まった状態となる。
そして、いざ使用するときは、腕時計を振ってゼンマイを巻き上げて、時刻を調整してスタンバイ完了となる。
その時、自動巻きであるとどうしても初期のゼンマイ巻き上げ量が足りずトルクが不足気味となる。
そして、ゼンマイが十分に巻き上がり、本調子となるまでに時間がかかる。
そのため、いくつもの腕時計を持つ腕時計ファンについては、手巻き時計がベストな選択肢となる。
しかし、昨今なぜか自動巻き機能のない機械式手巻き時計のラインナップは極端に少ない。
もっとシンプルな手巻き時計の良さをわかる人が増えてほしいと思う。
そもそもの話として、自動巻き機構の真の目的は、手でゼンマイを巻かなくてよい便利さではない。
腕時計において、防水上の弱点であるリューズを操作しなくてもゼンマイが巻けることが最大の長所だ。
なぜなら、防水構造を設計するにあたって、最もリスクが大きいのがリューズ部である。
リューズ部は回転操作をされるため、防水パッキンの劣化は他部位より顕著になる。
200m防水を求められるダイバーズウォッチのリューズ部がねじ込み式になっている理由がまさにその証拠である。
腕時計の設計者から見れば、とにかくリューズ部はできる限り操作してほしくないのである。
言い方を変えれば、自動巻き機構があるなら、手巻き機構はつけたくないという気持ちがあるだろう。
しかしながら、本当のダイバーはこの腕時計を使うことはないだろうし、私も特には海に潜る予定がない。
よって、手巻き機構ありのねじ込みリューズなしの腕時計が、多くの人にとって最適解となるだろう。
今回の対象はSEIKO SKX781通称オレンジモンスター
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いろいろ書いてみたが、今回私の場合は、単にムーブメント(テンプ)が寿命で壊れたので、その修理である。
そして、7S26よりもNH36の入手性が良かっただけという、いかにも受け身な理由だ。
中でもNH36はネットショッピングで容易に手に入るためこちらで対応した。
どうしても7S26が好きだという方はテンプのみ移植すれば修理は可能だろう。
7S系と4R、6R系の基本設計は同じ、というよりも私が見る限りほぼ同じ機械である。
商品差別化のため作り分けてはいるが、量産型ザク的な優秀な普及機である。
価格帯でいうと1~13万円程度をカバーしているSEIKOの主力ムーブメントであることは疑いようがない。
入門から中級機まではすべて同じムーブメントを使用し、大量生産により品質と価格をバランスさせている。まさに名機といえる存在である。
そんな名機もいつかは寿命を迎える。そんなときは、今回のように分解清掃ではなく、ムーブメント交換が最適解であるといえる。
では、今回のムーブメント交換作業にあたり必要な部品を書いておく。
- 換装用ムーブメント(4R36、NH36など6Rでもよい)
- 4R36用の巻き芯(7S26用は互換性がなく使えない)
- 4R36用巻き芯に適合するリューズ(7S26用は接着されているものが多く使えない)
必要なものは以上である。
換装用ムーブメントが必要なことは説明するまでもないが、注意点としては、7S26の巻き芯が流用できないことだ。
そして、なぜリューズまで必要かというと大抵の場合は巻き芯とリューズが一体型だからである。
SKXシリーズについていえばモンスターやボーイシリーズも同様だ。
ちなみに巻き芯は大抵ムーブメントに付属している。
実質的にはムーブメントとリューズを手に入れる必要がある。
まあ、リューズもネットで簡単に手に入るので心配しなくても大丈夫だ。
ただし純正でないため防水性は保証できないので、リアルダイバーの人は正規ルートでの純正修理一択である。
セイコーなら良心的な価格でムーブメント交換とクリーニングまでやってくれるはずだ。
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機械式ムーブメント、プラスチック ポータブル デイデイト カレンダー ムーブメント プロフェッショナル NH36
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広告部品がそろったら作業に取り掛かろう
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まずは、作業の邪魔となるベルトを取り外しておく。
ラグ横の穴に細い棒を押し込んでベルトを引き出せば外れる。
ベルトの交換作業も別途記載しているので、そちらを参照していただいてもかまわない。
なお、SEIKOダイバー系のバネ棒は専用の太いものとなっているので、紛失、破損に注意しよう。
ベルトが外れたら裏蓋を外す。
SEIKOダイバーズはスクリューバック式となっているので、専用工具で反時計回りに回す。
専用工具がない場合は、ゴムボールなどでも代用できるらしいが、固着しているとさすがに無理がある。これが最初のハードルである。
2,000円程度で手に入るので素直に買ってしまったほうが早いかもしれない。
無理をして工具を滑らせると裏蓋と心に消えない傷を負うことになる。
汗やさびや汚れ以外にも防水ゴムやグリスなどで固着しやすい部分である。
最もやってはいけないことは、固着したスクリューバックに熱をかけることである。
確かにジャムの蓋は熱をかけると開くのだが、あれは鉄とガラスの膨張率の違いと固着したジャムに熱が作用するためだろう。
ステンレススチール同士のネジは簡単に熱でかじり、固着して、永久に開かなくなるだろう。
実際にやってみたのだから間違いないorz
同じ過ちを犯す人が一人でも少なくなるようここに書いておく。
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オシドリを押して、巻き芯を外す
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無事裏蓋が開いたらリューズを緩めてネジ部を外しておく。
リューズから伸びている棒が巻き芯である。
巻き芯がムーブメントに刺さっている根本あたりにオシドリがあるはずだ。
オシドリが見当たらない場合はリューズを時刻調整位置まで引き出すと出てくるモデルもある。
じっくりと観察してみよう。モンスターの場合は上記写真の位置にある。
ピンセットなどで軽くオシドリを押し込みながらリューズを引き出して外していこう。
ここも含めて時計部品は小さく繊細であるので、大きな力は必要ない。
正確に丁寧に一つ一つの作業を実施していこう。
そして、大抵は分解よりも組み立てのほうが難しい。
ただし、先ほどの裏蓋のはずし作業だけは例外である。
状態によっては力も必要だし、開けるほうが難しい。
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ムーブメントからリューズを引き抜くとムーブメントを固定するものはない。
そのためケースをひっくり返すと、するっとムーブメントが抜ける。
この時、ムーブメントを落下させて針や文字盤を傷つけなように注意すること。
特に文字盤と針は傷つきやすく、一度傷がつくと気になって仕方がなくなる。
腕時計の難しいところは、とても目に近いところで見られることにある。
そのため、特に文字盤周りは傷があると目立つのである。
個人的には腕時計部品で最も重要な部品の一つが文字盤であると思っている。
細心の注意で取り扱おう。当然指紋を付けるなどもってのほかだ。
ただし、セイコー5は大量生産するために組み立てに気を遣うことが比較的少なくて済む。
例えば、文字盤はマット仕様でムーブメントに差し込むだけの構造だ。
つまりは傷や指紋が目立ちにくい処理となっていて、作業ミスも低減できる構造なのだ。
この高品質で大量生産を可能にする設計こそが、セイコーの最大の強みであり、他社の追随を許さないポイントだ。
セイコー5スポーツシリーズはそのセイコーの良さが最大限光る製品コンセプトである。
対照的にグランドセイコーなどのハイエンドではセイコーの本気を伺い知ることができる。
ただし、そのコンセプトも「最高の実用時計」であるので比較対象を誤ってはいけない。
新旧の巻き芯形状比較
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先にも述べたが、7S26と4R36(NH36)とでは巻き芯の形が異なっていることがわかる。
上が4R36(NH36)用、下が7S26用だ。手巻き機構が追加となっている分だけ複雑な形状に見える。
誤組立防止のため、7S26用は4R36には差し込めないようになっている。
それはそうと、いつも不思議に思っているのだが、腕時計の部品はどのように作っているのだろう。
巻き芯一つとっても一本の棒から削り出しているのか、プレスで形状を作っているのか他の方法か、焼き入れや表面彫りをしているのか。
小さいながらも大きな力の掛かる部品であるので、気が抜けない部品であるはずだ。
セイコーの巻き芯はどれも品質が高いと感じている。
硬さといい弾性といい巻き芯の機能に対し絶妙な調整が施されているように感じる。
硬すぎれば折れるし、柔らかすぎればねじ切れてしまう。
それでいて細く、複雑な形状が必要で錆びなども許されないという厳しい要求の部品である。
かなりのノウハウが詰め込まれているはずだ。実に興味深い。
破損ムーブメントからの再利用部品取り外し
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いよいよ再利用する部品を外していく。
ここからは、特に外観部品の傷や破損に注意しよう。部品の供給や流通の管理を強化している腕時計部品において、基本的に替えは効かない。
まずは時針、分針、秒針を外していく。
これまた繊細な部品なので、専用工具を用いるのが賢明だ。
剣抜きを用いて針を外していく。あらかじめ針をそろえておくと外しやすい。
今回は傷防止のため、薄手のビニールを敷いている。
オレンジモンスターの最大の特徴はこのオレンジの文字盤だ。
慎重に扱っていこう。
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針が取れた状態。
文字盤の周りをぐるっと覆っているのがチャプターリングといわれるものだ。
本モデルの場合は、文字盤と一体になってはずれた。
蛇足であるが、文字盤とチャプターリングの両方に目盛りが刻まれているものは少ない。
なぜなら、2部品の目盛りを合わせることが、設計上難しいからだ。
もしあるとすれば、それはかなりの高級品か、相当の組み立て技術がないと実現できない。
もしMODで文字盤やチャプターリングをカスタムする場合は覚えておこう。
目盛りは、文字盤かチャプターリングのどちらかにしか表示させないようにすることがコツである。
破損ムーブメントから文字盤を取り外す
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裏を見ると文字盤の干支足と呼ばれるピンが黒色のプラスチックスペーサに刺さっているのがわかる。
なんと本当に嵌まっているだけなので表側から文字盤を慎重に引っ張ると抜ける。
確実な方法は薄いプラスチックへらのようなもので文字盤とスペーサの間を開けていく方法だ。
または裏側からピンを少しずつ押し込んでいってもいいと思う。
干支足を曲げないようにだけ気を付けて文字盤を外していこう。
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文字盤が外れるとカレンダーリングが姿を現す。
これも視認部品であるので、傷や汚れを付けないように気を付けたい。
この曜日と日付のカレンダーリングが4時リューズ用といって、実は特殊仕様である。
セイコーのダイバーの多くはリューズが4時付近、19分の位置にある。
対して通常の時計の多くはリューズが3時、15分の位置にある。
つまり、基本的にカレンダーリングは3時リューズ用で作られている。
そのままモンスターなどのダイバーに使用する微妙に文字盤の表示穴とずれてしまう。
そのため、カレンダーリングもモンスターのものを再利用する必要がある。
しかも後述するが、これの取り外しが実に面倒である。
個人的にカレンダーリングが嫌いなので、腕時計のカレンダー表示はなくていいと思っている。
細かいことであるが、カレンダーの表示文字にもこだわる人がいる。
英語表記は大抵は標準装備であるが、もう一つの表記がどこ向けなのかでこだわりがあるらしい。
私はそもそもカレンダー否定派なので気にしない。
日本バージョン、スペイン語バージョン、中国バージョン、アラビアバージョンなどが存在する。
本モデルはどうもスペイン語バージョンのようだ。
破損ムーブメントからカレンダーリングを外す
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カレンダーリングを外すには、ムーブメント中央にあるCリングをはずす。
この部品とてつもなく紛失しやすく、変形しやすい繊細な部品であるので注意すること。
指で上部を塞ぎながら、取り外すと紛失しにくい。
こんな部品でも代替部品を探すことは困難を極める。
強いて言えば、換装用ムーブメントにもついているのでチャンスは2回ある。
なんと曜日表示のリングについては。このCリングのみで固定されている。
なんとも後付感の強い部品である。ほんとにいらないんじゃないかと思っている。
しかし、これがないとセイコー5のコンセプトの1つがかけてしまうので仕方がない。
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曜日表示のリングが外れた。白い風車のようなものが見えるが、これで曜日の表示を切り替えている。
27の横くらいにある黒い部分は日付の表示リングを回す歯車だ。
どちらもなぜかプラスチックでできている。
また、白い風車の下からものすごく細い腕が伸びた部分がある。
これは曜日表示のリングを抑えているバネになるので覚えておこう。
後ほど取り付けの際に意識する必要がある。
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あまりに簡素に取り付けられていた曜日の表示リングであるが、日付表示の車はもう少ししっかりと取り付けされている。
極小ネジをいくつか外すと中央の板金が2枚外れる。
2枚目の板金には日付表示リングを固定するバネ部分がある。リングの5の部分の下くらいのものがそれである。
この部分も組み付けの際に意識しなくてはならない部分であるので覚えておこう。
板金部分は同じ7S26でも微妙に異なる場合があるので注意する。
私の知っている範囲では、見たことないくらい小さいプラスネジがある場合もある。
その他がマイナスネジなのになんでやねんと思うかもしれないが、心を無にして対応しよう。
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日付表示のリングが外れた状態。
やはり、最廉価の機械式ムーブメント。随所にプラスチックの歯車が使われている。
悪く言えば安っぽいのかもしれないが、見方を変えるとプラスチックでよくここまでのものが作れるなと感心する。
繊細過ぎてプラスチックでは作れないから、金属で作る場合のほうが多いくらいだ。
当たり前だが、手巻き機構に関する部品はとりついていない。
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念のため、この黒いスペーサリングも再利用する。
以上で破損したムーブメントから再利用部品の取り外しは完了だ。
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続いて、同様にして換装用ムーブメントから不要部品を取り外す。
ほどんど同じに見えるかもしれないが、こちらが換装用のムーブメントである。
スペーサリングがグレーなのと曜日表示が漢数字である点が異なっている。
こちらは3時リューズ用と推測されるので取り外して不要部品は破棄する。
取り外しの手順は先ほどの7S26と同様であるので、ここでは割愛する。
換装用ムーブメントに再利用部品を組み込む
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換装用ムーブメントから曜日と日付表示車を取り外したら、再利用部品を組み込んでいく。
ムーブメントに黒色のスペーサをはめ込む、こちらもパチッとムーブメントに嵌まるはずだ。
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4時リューズ用の日付表示リングをムーブメントに乗せる。
中央の板金をねじ留めしてリングを固定する。
この時左下付近に見えるハンマーのような形のバネを中央側にやさしく引っ張ってリングをセットする。
このバネが日付表示の際のカシャっという弾みを作る部分だ。変形させないよう注意する。
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中央の板金をもう一枚取り付ける。
こちらにも中央より下側にハンマーのようなバネがついている。
これは、曜日表示リングに弾みをつけるバネだ。
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曜日表示車を取り付け、Cリングで固定する。
この時、先ほどのバネを曜日車中央のスリットを利用して引っ掛ける。
ちょいとコツがいるが慣れれば問題なくできる。根気よくやっていこう。
この状態で念のためカレンダーリングの動きに問題がないことを確認しよう。
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文字盤を黒色スペーサの穴にはめ込む。
こちらについては、はめ込むだけで特にネジ固定する場所はない。
ばらした時に確認できているので特に問題はないだろう。
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リューズで日付が変わる位置を確認して、針を軸に圧入する。
この時24時間分針をまわして、日付の変わるタイミングを確認しよう。
個人的には±10分の範囲に入れば上出来であると思う。
この時点でどれだけ合わせても実使用ではわずかにずれるので深追いする必要はない。
同時に新品購入時に切り替えタイミングがずれているからといってクレームをつけても規定の範囲内との回答がくるだけだ。
実際に作業した人ならば、どれだけ難しい作業であるかがわかる。
どんな高級な時計でも±5分であればかなりの職人技である。
ちなみにこのモデルの曜日表示については。2時くらいまで変わってくれないので、組み間違えや故障ではない。
ほんと曜日表示なんていらないんじゃないかと思う。
SEIKOでいえば52系、4S系のムーブメントの一部はデイトジャスト機能といって、12時付近で一瞬で切り替わるものがある。
なぜ、見てもいない時間の動作にそこまでするのか意味は理解できない。しかし、実際に切り替えてみると、とにかく気持ちいい。
そんな小さな積み重ねが大きな違いになるということだろう。
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慎重にムーブメントをケースに入れて巻き芯を装着すれば完成である。
なーんだ簡単じゃないか。
そう思っていた時期がオレにもありました。
換装用ムーブメントの巻き芯長さ調整
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そう、当たり前だが新品の巻き芯は長い。
それはどのモデルのケースに使用されるか決まっていないからだ。
慎重に長さを測定しながら巻き芯を詰めていく必要がある。
詰めたら切り口をやすりがけして整えて、リューズにねじ込めるようにしてもう一度取り付ける。
いい感じの長さになるまでこの作業を繰り返す。
実のところ今回の作業の中でこれが一番難しい作業であると思う。
詰めすぎた場合は、失敗なのでもう一度、新品巻き芯を使いやり直すしかないということだ。
まさに神経をすり減らすような作業になることは間違いない。
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何度も慎重に詰めていき、何とか大丈夫そうな感じになったのでこの辺で良しとする。
これも、完璧を目指すのではなく80点ぐらいで満足することが重要である。
要所を抑えつつも細かいことは気にしない、これがコツであると思う。
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この個体、実はひそかに風防をサファイアガラスに変更してある。これも定番のカスタムだ。
傷のないハードレックスとも透明度が違うので、気が向いたらやってみるといい。
ただし、こちらはやや難しいので、パッキンを多めに用意しておくことをお勧めする。
目に触れる部分であるので風防交換は満足度の高いカスタムになるだろう。
やはりオレンジモンスターのデザインは迫力があっていい。ケース傷さえも魅力的にみえる。
そんな懐の深い、それでいて幅のあるいい時計である。
人気であることも頷ける内容だ。
手巻き機能付きオレンジモンスター完成
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以上の作業で無事完成。
手巻き機能を備えたオレンジモンスターが完成した。
このモンスターという機種は他のどの時計とも似ていない不思議な魅力がある。
ほとんどのダイバー時計はロレックスのサブマリーナーの影響を無視できないような雰囲気となっている。
実際にはダイバー規格を満足する腕時計をデザインするとほとんど同じになってしまうというのもある。
そのがんじがらめの制約の中で、個性的なデザインはかなり魅力的であると思う。
そして、とても大きく見えるが実はタートルよりも小さいのが驚きだ。
また、気が向いたらMODしてみるとする。
本記事がステキな腕時計ライフの一助となれば幸いである。
今後もメンテナンス情報を伝えていくのでよろしく、それではまた。
まとめ
- 4R36に換装することで手巻き機能を追加できる
- 裏蓋取り外しが第1のハードル
- 文字盤の取り扱いに注意する
- 巻き芯の長さ調整が腕の見せ所
- モンスターは個性的なデザインの魅力的な時計
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