腕時計のベルトって作れるんじゃないか
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こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!
そんなことをふと思ってみた。
今回は腕時計のベルトを作ってみる。
なんとなく飽きてきたな、ふと腕時計を見て思ったり、最近時計つけてないなと思ったら。
気分を変えるために最も簡単な方法は、ベルトを変えてみることだ。
ベルトを変えるとがらりと印象が変わるし、まるで別の時計のようにも見える。
じゃあ、どんなベルトがいいだろうというところだが、別記事で書いてはいるのでそちらを参照してほしい。
まあ、簡単なのはレザーベルトかファブリックベルトであろう。これらはデザインの幅が広く多くのものから選ぶことができる。
中でもレザーベルトはその高級感と耐久性で使いやすいものとなっている。
ステンレスベルトが重いと感じた時や飽きてきたとき、金属アレルギーの方にもお勧めだ。
では腕時計のベルトを見てみると、意外なほど上質のものを探すことはむずかしい。
多くは5,000円程度で手に入るが、上質とはかけ離れたものばかりだ。
上質なものを手に入れようとすると15,000円近く必要になってくる。
時計に対して高すぎることも少なくはないだろう。
じゃあ作ってみるかと思い立った次第である。だってなんかできそうだったから。
結論からするとできたはできたが、ミスなく作ることはかなり難しいものであることが分かった。
パーツとして細か上に目に近い部部品となるので、繊細であるのだ。
縫い目一つとっても大きく印象を左右する、そんな部品である。
まずは革素材を準備する
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今回準備した革素材はレザークラフトでよく使われるヌメ革である。
これは扱いやすく、丈夫で何より高級感が合皮などとは段違いだ。
雰囲気はさすがにクロコダイルにはかなわないが、その表現の幅は実に広いものである。
工夫次第では大変魅力的なものができあがる。
まあとりあえず見よう見まねで作ってみるとしよう。
今回は練習を兼ねて2セット作ってみることとする。
当然時計1つにつきベルトは上下各1本必要であるのでとりあえず4本切り出す。
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広告ケガキして、別たちで革をカット
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何も考えずにまずはカット
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続いてニートフットオイルを染み込ませて油分を入れていく。
レザークラフトは不思議なことに手間をかけた分だけ風合いが増していく。
言い方を変えれば手抜きをした分だけ正直に出来に反映される。
ガラス板で磨け
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続いて表面をガラス板で磨く。
何の意味があるのかともうだろうが、輝きが変わる。
鈍く深く輝くようになる。一度体感してしまうとこの工程を抜くことはできない。
パーツに切り出す
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ここで、パーツ単位に切り出していく。
なんとなくベルトみたいな形になってきた。
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これ何?っていうパーツである。
これは床革と呼ばれるもので、革の裏地である。
スエードはこちらを表として使った革のことである。
革を適切な厚さに切り出すと廃棄物として得られる革である。
今回はこれを内側に挟み込んで、ベルトの厚みを演出するために使う。
よく見ると時計のベルトは時計側になるほど緩やかに厚くなっているものがある。
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その床革を中央付近に接着剤で貼り付ける。
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時計側のバネ棒が入る位置に爪楊枝を挟み込み二つ折りにして接着する。
この時、気のせい程度に湾曲させておく。
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爪楊枝が2本挟まっている部分はバックル側を想定している。
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ああ、失敗してしまった。
糸の縫い目を入れるための溝を切り込む。手が滑って溝がずれてしまった。
まあ、自分用なので小さいことは気にしない。
以外にもできてしまえば気にならないものだ。
この溝もなくてもいいが、あるとグッと出来がよくなるので、ぜひ掘っておこう。
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同様にして2セット作成した。
ここまでくるとほとんど出来上がりだ。
ベルトに色を入れる
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ついにベルトに色を入れる。
私の場合はまずはボルドーを入れる。何でというわけではないが、色に深みが出る気がする。
革の染色のコツは何度もいくつかの色を重ねていくことだ。
つまり、革の染色は薄い色のほうが難しい。
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上から、こげ茶とブルーを入れていく
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さらに茶色を入れていく。かなり色に厚みが出てきた。
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都合5度目の染色である。手染めならではの深みのある色が出てきた。
これがヌメ革、レザークラフトの醍醐味である。
染色済みのクロム鞣しレザーでは出ない色味である。
グラデーションも思いのままである。
さらに、数日置くと色がなじんできて、表情が変わっていく。
なんとなくやってもかっこよくなるが、狙って染色するのはプロの技である。
私は素人なので偶然の色あいを楽しむこととする。
糸の下穴をあける
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いよいよ縫いに入るのだが、通常の布と違うのは、素材が丈夫で針が通りにくいということだ。
よって、あらかじめ専用工具で糸の縫い穴をあけておく。これを菱目打ちというらしい。
糸は麻糸をロウビキする
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これもレザークラフトの定番であるが、麻糸にロウを塗り付けて毛羽立ちを抑えて、摩擦を減らす。
これも通常の糸には見られない独特の風合いが出てくる。
これら一つ一つの地味な手間の積み重ねが、大量生産品にはない迫力を演出していく。
ダブルステッチで縫い付ける
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縫い方としてはダブルステッチという方法で縫い付ける。
これは、簡単に言うと表と裏から交互に波縫いを行うことである。
何がすごいのかと思っていたが、上糸と下糸が縫い合うのでほつれないのだ。
さらにこの縫い方はミシンでは再現不能な手縫い法である。
見た目のインパクトがないことと手間がかかりすぎることから、量産品には適用不可能だ。
レザー製品についていえば、耐久性で手縫いに勝るものはない。
たとえ一部の糸が擦り切れたとしてもほどけることはない。むしろほどこうと思ってもほどけない。
それほどまでに強固な縫いである。
これはやってみたほうが早い。通常販売品で手縫いのものがあれば、最高級品であることは疑う余地がない。
さっそく時計に装着してみる。一本目はダークブラウン
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まあ、いろいろ失敗したが、とりあえず形になったので取り付けてみた。
時計はSEIKOのダイバータートルでラグ幅22mmのものだ。
ブルーグラデーションダイアルのスペシャルエディションである。
濃いブラウンがブルーを際立たせている。鉄板の組み合わせである。
写真ではわかりにくいが、ベルトの染色もグラデーションとしている。
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見た目はよいが、ここだけの話、私の腕には短すぎたのと、上下でベルトの長さを変えたほうが幸せになれる。
具体的にはバックル側を短くしたほうが良い。
また、作りました補正がかかっているので、かっこいいと思っているのは自分だけの可能性が高い。
とてもじゃないが売り物になるようなレベルではない。
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ただ、耐久性はお墨付き。
ちょっとやそっとでは壊れることはない。
そこらん販売品と比べても圧倒的な耐久性であることは自信を持って言える。
2本目はブルーグリーン
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ブルーに合わせて、ブルーグリーンに染めてみた。
こちらもグラデーションで染めてある。
ちなみに乾いて水分が抜けたり、つけて革が伸びると微妙に変形する。
ラグ幅22mmに対して少し大きく切り出しているが、ぴったりになった。
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確かに作るのはめんどくさいが、売り物にはない迫力あるベルトが出来上がった。
大きめの時計によく合うベルトである。
ちなみに小さく、薄い繊細なベルトほど作るのは難しい。
まあ、今回はここまでとする。
それではまた。
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