ウォッシャーポンプ交換 BMW 320i E90

BMWあるあるウォッシャーポンプ故障

  • 作業難易度  :★★★(ジャッキアップとタイヤ取り外し)
  • 事故時の危険度:★★★★(車の下には潜らないこと)
  • 体感度    :★★★★(ウォッシャー液でないと車検不合格)
  • 作業時間目安 :120~180分
  • 予算     :約5,000円(ポンプ新品交換部品代、ストレーナ別途)
  • メンテ周期  :3〜5年毎(ウォッシャー液が漏れたら)
  • 注意点    :新品交換してもまた漏れる

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!

今回はウィンドウォッシャーポンプ故障について書いていく。

そう、始まりはいつも突然だ。

いつも通りエンジンをスタートすると「ポーン!」とおなじみの警告が鳴り響く。

なんじゃこのマーク?と一瞬思うが、ウォッシャー液が足りなさそうだといった感じだ。

実はここまでですでに不審な点があるのだが、この時は気づかなかった。

そう「ウォッシャー液不足」のアラームがエンジンスタート時に鳴っているのだ。

普通ならウォッシャー液を出した後に鳴るはずである。

そういうわけで、結論としてはウォッシャー液の漏れであることを示していたのだ。

稀に下り坂で停止した際に同様のアラームが鳴ることもある。

その場合は、平地に戻った際にアラームが消えるので見分けることができる。

どのタイミングでアラームが鳴ったかは、その後の故障解析をする際に重要であるのでチェックしておこう。

ちなみに今回の作業はジャッキアップの上、タイヤの取り外しが必要になる。

工具がそろっていない場合は、対応を業者に任せよう。

特に走行に支障はないが、アラームありの状態では車検に通らないので整備不良にあたるだろう。

気持ちは焦るが、落ち着いて車両情報を確認していく。

メインメニュー→車両情報→車両ステータス→「!」と進む

するとメイン画面には「ウォッシャー液不足」とある。

予想通りのアラーム内容表示であった。

天下のi-driveさんの指示は「ウォッシャー液を足せ」であった。

通常のウォッシャー液切れであれば、指示の通りウォッシャー液を足して作業終了だ。

早速ウォッシャー液を補充

走行時の前方視界を確保するためウィンドウォッシャー液は重要である。

速めの対処がよしとのことで、早速ウォッシャー液を購入し、たっぷりと2リットル注ぎ込んだ。

足し方は簡単である。エンジンフードを開けると向かって左手側、サスペンション付近に、アラームと同じマークがある。

ここの蓋をパカッと開けて、ウォッシャー液を注ぎ込むだけだ。

容量は4リットルとも5リットルともいわれているので、2リットルくらいは余裕で入る。

ウォッシャー液を足して、蓋を閉めて、エンジンフードを閉めれば、作業終了である。

実に簡単なミッションだ。

まあ、本当にウォッシャー液切れだけなら、、、、、ね。

見事にアラームは消えて、ハンドル右レバーを手前に引けば、ウォッシャー液も元気よく噴出した。


BMW 純正 BMW カーケア ウインドー・ウォッシャー液 (不凍剤入り) 1000ml ウインド ウォッシャー ケア 不凍剤 E36 E46 E90 E…
[ad01]

世の中そう甘くない、次の日に再度アラーム鳴動

次の日、意気揚々とエンジンスタートすると「ポーン!」と昨日と同じアラームが発生。

デジャヴ??何の嫌がらせかと思った。

先日の作業後には動作も問題なくアラームも消えていたので、ポンプ動作とセンサ動作は正常である。

まさかと思い、車両外観を今一度確認すると、運転席側サイドステップのあたりから液体が大量に滴っている。

思いっきりウォッシャー液が駄々洩れである状態だ。

それもアラームが鳴動するレベルなので、ほぼ全漏れであろう。

おかしいなと思ってネット上を調べてみると、これまたあるあるネタではないか。

最近ものすごい勢いで、BMWあるあるフラグを回収してる感がある。

起こる時はこんなものかと思いながら空を仰ぐ。

まずは部品調達、ウォッシャーポンプ

もう迷わない。先人たちの情報通りのことが起こっているに違いない。

もう、ウォッシャーポンプから漏れているに違いない。

まずは、ウォッシャーポンプを購入する。

普通に考えれば、ポンプ本体ではなく、ホースの亀裂からの漏れと考えるのべきである。

しかし、これまですでに、普通でないことが起こり続けているのと漏れるスピードが異常であることから、疑うことはやめた。

たとえ、今回確認の結果がホースの劣化であったとしても、そのうちポンプが壊れるのなら交換で問題ない。

ウォッシャーポンプ交換工程を確認

先人たちの教えから、交換手順は下記。

  1. 車両をジャッキアップ
  2. タイヤを外す
  3. タイヤハウスカバーを外す
  4. ウォッシャータンクを引きずり出す
  5. ウォッシャーポンプを取り外す

目標のウォッシャータンクとポンプは右側フロントフェンダー内という実に厄介な場所にあるようだ。

そして、素人には大きなハードルであるジャッキアップとタイヤ取り外しがあるようだ。

やる気というよりは、果てしない道のりに絶望感が漂うくらいの内容である。

まずはジャッキアップから

素人には、まずジャッキアップのハードルがかなり高い。

ジャッキポイントは前輪の後ろ側と後輪の前側に各1つずつ。

加えて車両中央前、オイルドレンボルトの手前とリアデフの合計6か所となる。

ジャッキアップの鉄則は、「ジャッキは作業中に外れるもの」と認識することだ。

そして、ジャッキが外れた時にケガをしないことが、最低条件である。

プロであってもこの事故は起こり得るので、素人作業の場合は特に心に刻んでおく。

油圧ジャッキなら、オイルが漏れたらそれで終わり。パンタジャッキなら、横の力がかかればそれで外れる。

対策としては、まずは、車両の下にもぐらない。やむを得ず潜る場合は、車両に馬をかける。ホイールなどを地面と車両の間に挟むなどがある。

今回は、運転席側のホイール後方にあるジャッキポイントをパンタジャッキで上げて作業する。

車両の下に潜り込むことはせず、念のため、外したタイヤを車両と地面との間に挟むことにする。

また、安全のため、タイヤボルトの初期緩めと最終締め付けは、ジャッキアップしない状態で行うこととした。

ちなみにホイール後方のジャッキポイントは特殊形状となっているので、アタッチメントを準備しておこう。

ここを無理やり作業すると簡単に破損することは想像に難くない。

車両重量は少なく見積もっても1500kgである。大抵のものをたやすく破壊するのに困らない質量である。

やっと作業に取り掛かろう

前置きが長くなったが、作業に進んでいこう。

まずは運転席(右)側のホイールボルトを緩める。

1/4回転も緩めればいいだろう。

この時ホイール盗難防止のための特殊ボルトがあるが、通常であれば車載工具に積まれているはずだ。

そして、ジャッキポイントにアタッチメントを取り付けジャッキで持ち上げる。

ほんの少しタイヤが浮くと手でクルクルとタイヤが回せるはずだ。

ホイールボルトを5本すべて抜き取る。

続いてホイールを取り外す。

この時、ホイールが抜けないものがあるようだが、この車両は幸い問題なく外れた。

固着している場合はプラスチックハンマーなどで、衝撃を与えて外すようである。

ウォッシャーポンプ1つ外すのに一大事である。

ここまでで、素人にはかなりきつかった。くたくたである。

ちなみに、ここで、ブレーキとサスペンション周りの観察。

ブレーキの残量は十分、サスペンションは上部のゴムっぽい部分がボロボロである。

さすがに、そろそろ足回りのリフレッシュ時期といったところだ。

予算はざっくり15~20万といったっところか、、、とりあえず考えることをやめた。

地獄のタイヤハウスカバーはずし

しかしながら、本当につらいのはここからだった。

タイヤハウスカバーは、ネジ2、3個で外れると聞いていたが、何やら10個ぐらいのネジとナット、樹脂ピン3つを取り外すこととなった。

しかも、ほぼ知恵の輪状態で入り組んでいる。

誰だこんなところにウォッシャータンク入れたやつは!!

しかも、何やらここは大量のごみがたまる場所のようだ。外すたびに埃と汚れとごみが降り注ぐ。

しかも走行後に作業したため、エンジンの残熱でやけどしそうである。知らない間に手から血が出ている。板金のエッジで切ったようだ。

特にフェンダー内側のカバーはめ込みは外すのに苦労した。

ウォッシャータンクとご対面

タイヤハウスカバーを外すとやっとでウォッシャータンクがお目見えである。

ウォッシャータンクそのものはボルト一本で、ボディに固定されている。

ボルトを外してタンク先端をフェンダーから外したらズルっと前方へ引き出す。

すると、ウォッシャーポンプが見えてくる。

ウォッシャーポンプを引き出して、コネクタとゴムホースを引き抜けば、ポンプが摘出できる。コネクタには抜け防止ロック爪があるので注意すること。

新品と交換して、逆の手順で組み付ける。

ここで、ストレーナーを購入するのを忘れたことに気がづいたが気にせず組立。

組み付け時に注意することは、ホイールボルトの仮止めの後に、慎重にジャッキを外し、締め付けは対角、★を描くように2回以上に分けて締め付けること。

さらに数キロ走行後にゆるみがないことを確認すること。

今回の作業では、締め付けトルクは120N・mとした。

念のため、他のホイールボルトも同様に締め付け確認を実施した。

そういえば、作業中に謎の部品が抜け落ちたが、まあ、気にしないことにする。

ウォッシャーポンプ故障解析

今回は本当に長くなったが、本題に入るとしよう。

なぜ、ウォッシャーポンプから液漏れしたのかを見ていく。

まずはポンプ外観確認。これといった破損個所はない。きれいなものだ。

亀裂なども確認できない。

では、分解してみよう。

何やらブラックとグレーという色の違う部分があるのでここからこじ開けていくと

3つのパーツに分解できた

  • 上カバー(本当にカバー)
  • 下カバー(ポンプのスクリューらしきものASSY)
  • モータ

そして各パーツを観察してわかることは下記

  1. モータがさびている。
  2. ゴムパッキンでモータとポンプ羽を防水している。
  3. 下カバーにあらかじめ穴が開いている。

なるほど、液漏れの原因は、モータ回転部のゴムパッキンの劣化である。

その結果、モータ側に浸水して、モータが錆びた。

そして、モータ通電部の水没を防止するための下カバーの穴から排水されたようだ。

これは、ポンプの作動時の圧力で漏水した際に、モータの故障を防ぐための水抜き穴であると推測する。

しかし、今回の場合は、ウォッシャータンクの水圧に耐えられなくなって、モーターを回さなくても漏水した結果、全漏れとなったようだ。

これは、ウォッシャーポンプの位置をタンク上側に設置すれば解決できそうだが、きっと設計的な意図があるのであろう。

私にはわからないが、、、、

以下は推測となるが、とどめを刺したのは社外品のウォッシャー液ではないかと思っている。

ウォッシャー液を純正品と違うものを入れたとたんに今回の液漏れが発生したのと、ペットボトルに残ったウォッシャー液は何やら結晶が沈んでいたからだ。

撥水効果を付加したウォッシャー液は、今後使用しない方針とした。

製造から10年たっているので、何が起きても不具合とは言わないが、ウォーターポンプについては、メンテナンスをもっと簡単にしてほしかったとは思う。

今回はここまでとする。これ以上、謎の故障は勘弁してほしいところだ。

今後もメンテナンス情報を記載していくので参考にしてもらえればうれしい。

それではまた。

まとめ

  1. ウォッシャー液不足アラームが出たタイミングを確認すること
  2. 付加機能の付いたウォッシャー液は入れない
  3. ジャッキアップ作業は細心の注意を払う
メンテナンスリンク集