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ハードレックスガラスのキズ消し、コツは気合

傷だらけの腕時計風防をきれいにしたい

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。

今回は腕時計の風防であるハードレックスガラスの研磨、傷消しについて書いていく。

アンティーク腕時計をいくつか手に入れるとこんな経験がないだろうか。

あまりにも傷だらけな風防で文字盤が見えない。どうしたらこんな傷だらけになるのか不明。時が経つとそんな、残念な個体が多いのも事実である。

本当にきれいなものはコレクターやプロの間でやり取りされるので、一般市民には回ってこないだろう。

そうはいっても腕時計は実用品であるべきなので、傷がつくのは仕方ない。むしろ傷がないほうが不自然である。

そして、アンティーク腕時計ともなれば40年以上前のものはざらである。通常使用されてきたのであれば、ある種当然ともいえる傷なのである。

そんな腕時計の風防もいくつか種類がある。大きく分けて下記3種だ。

  • アクリル樹脂風防(プラスチック風防)
  • ミネラルガラス風防(ハードレックス風防を含む)
  • サファイアガラス風防

1960年代以前のものは圧倒的にアクリル樹脂風防が多い。そして、1960年代の後半あたりからミネラルガラス風防が増えてくる。そして、最近ではある程度の価格のものにはサファイアガラス風防が採用されるようになった。

どれも一長一短であるが、もし選べるのであるならばサファイアガラス風防を強くおすすめする。

アクリル樹脂風防は、比較的柔らかく傷がつきやすい一方で、安価で形状の自由度が高く、軽い研磨で簡単に傷を目立たなくすることができる。

基本的に消耗品であり、オーバーホールの際にはアクリル樹脂風防は新品交換が想定されていただろう。

そんな、アクリル樹脂風防であるが、強度と耐久性、防水性確保の観点から、徐々にミネラルガラスへと置き換えられていく。

中でもSEIKOのミネラルガラスはハードレックスと呼ばれ、割れにくく、硬度もあり傷がつきにくいという特徴を持ったものであった。

これにより、風防の交換頻度はオーバーホール毎ではなく、傷が気になったときに行うという感じになっただろう。

ただし、いくらハードレックスガラスといっても、冒頭の写真にあるように傷がつかないわけではなく、石や金属とぶつかれば確実に深い打痕となる。

まさに、サファイアガラス風防とアクリル樹脂風防の中間の性能といったところだ。

そんな、腕時計風防の傷の悩みをほぼ解決するのがサファイアガラス風防である。

ダイヤモンドに次ぐ硬さのそれは、理論上、ダイヤモンドかルビー、サファイアもしくは同等硬度の物質を用いないと傷がつかないのである。

まあ、実際には傷がつくこともあるだろうが、そう簡単には目立つような傷をつけられないだろう。

マニアックな見方をすれば、サファイアガラスとミネラルガラスとでは、透明度や反射率が異なるため、独特の見た目と雰囲気も魅力である。

そんな、サファイアガラスの短所はコストと耐衝撃性能だろう。一般的にサファイアガラスは加工が難しく、複雑な形状のものは高価になる。また、一般的には硬い材料ほど、衝撃で割れやすいという性質を持つ。この辺はトレードオフなので、好みでチョイスしよう。

そんな腕時計風防の中で、今回はハードレックスガラスの研磨にチャレンジした次第である。

結論から言えば、ハードレックスガラスと言えども、アクリル樹脂風防の研磨とほとんど作業自体は変わらない。ただ、硬度が高い分、数倍の気合と時間が必要であるというだけである。

手に入るならば新品交換したい

確かに、ハードレックスガラスの研磨は大変な作業である。しかし、なぜ、わざわざそんなつらい思いをしてまで、腕時計の風防を研磨しなければならないのだろうか。何もそんな傷だらけのガラスを使わなくても新品交換すればよいのではないだろうか。

まったくもってそのとおりではあるが、アンティーク時計の風防は今となっては、入手自体が困難であり、仮にあったとしても高価で取引されるためだ。高価とは言っても正直な話、1万円程度であれば、費用対効果を考えて買ったほうが圧倒的に安い。

特に上記の写真のようなカットガラス風防は1960年代後半1970年代に流行ったものである。

視認性が悪いため現在で使用されるケースは稀であるが、角の立った3~9面のカットガラスは宝石のようで、ゾクっとするほどきれいである。

このカットガラス風防、1970年代当時の新品部品の価格は4,000~5,000円程度、現在は6,000~25,000円程度で取引されている。

高すぎる!!と一瞬感じるかもしれないが、当時の価格の4,000円でインフレを考慮すれば妥当な価格であるといえる。

それに対し、今回の研磨作業は研磨機なしの手作業の場合で約5時間は必要になる。しかも新品のように仕上げることは、もはや職人技である。

つまり、新品のハードレックスガラス風防は、あったらラッキー、ぜひ買わせてくださいと言いたくなるモノであるのだ。

そのため今回は、アンティーク腕時計のハードレックスガラス風防の入手は困難であるという前提で、研磨作業を進めていくこととする。

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まずは400番程度からひたすら削る

では、気持ちの整理と覚悟ができたら作業に入ろう。私の場合、まずは400番程度の紙やすりを用いて、水研ぎを行う。これ以上の説明は特にない。傷が目立たなくなるまで気合で削り込むのみ。

ハードレックスでなくとも無機ガラスは身の回りにあるものの中では、かなり固い部類に入る。正直な感覚としては、紙やすりの研磨剤ではやや硬度が劣るような感じだ。そうかといって、400番/800番のダイヤモンドやすりも使っては見たが、イメージ通りの仕上がりとはならなかった。

をしてこれが、400番の紙やすりで研磨した結果である。これより、まだまだ、傷は消しきれていないことがわかる。ちなみに、ハードレックスガラスの傷を完全に消すことは、ほぼ不可能くらいに考えていて問題ない。

傷を完全に消すには、その傷と同じ深さまで削り込む必要があるが、そこまでの労力がかけられないのと、平面とエッジをきれいに出すのが難しいためである。

今回の考え方として、研磨とは傷となっている溝のエッジを丸めることにより、傷を目立たなくする作業である。つまり、作業後の多少の凹凸は許容する。

そして、もう一つ重要なことは、400番のヤスリで研磨した場合、400番相当の傷がつき、400番で消えない傷は、この後の研磨作業でも消えないということである。

加えて言うなら、カットガラスのエッジ確保もほぼ不可能である。さらにモノによっては表面コーティングがされているので、それの再現も無理だろう。

上記写真もすでにかなり削り込んではいるが、傷は完全には消えていないにも関わらず、カットの合わせ目、つまりエッジは削れていることがわかる。

それだけ、手作業でのカットガラスの研磨は難しいといえる。

ケース研磨においても同様で、研磨面のエッジを確保するためには、ハイレベルな職人技が必要とされる。そのため、一部高級機で採用されるザラツ研磨がもてはやされているのだ。

まあそんな、小さなことは気にしないぜという強い心の持ち主の方のみ次の作業に進んでみよう。

続いて1000番、1500番で磨く

だんだんと目を細かくして、研磨作業を続けていこう。

ヤスリの番手のチョイスは自分に合ったものでよいと思う。人によっては、間に800番を入れたほうが良いかもしれない。

この状態では、まったくもって、曇りガラスのようになっているが、心を強く持って、気合で磨ききる。

ここでのコツは、一つ手前の粗目のやすりでついた傷を消しきること。

これまた、気合である。

以上が1500番までで磨いた結果である。

この時点でもう私の心は折れている。9面のうち4面は小さすぎて磨く気になれなかった。

もういいでしょう、、、、、僕は疲れたよ、、、、

仕上げは酸化セリウムで磨く

最後の仕上げは酸化セリウムによる研磨だ。

身近なものだとキイロビンなる名称で販売されている。

ここで、キイロビンを用いての研磨だが、購入者レビューより研磨の結果に差が出ている様子が伺える。

ある人は、とてもきれいになりましたという。

またある人は、まったく効果がないという。

そんな私も当初はまったく効果がなく使えねーじゃねーかと思っていた。

しかし、その原因はおよそ下記であるといえる。

  • 気合が足りない
  • 研磨に使用している素材が柔かい

そもそも研磨とはそんな生ぬるい作業ではないので、ちょっとやそっと撫でただけでは微動だにしないのがハードレックスである。

その程度の気合なら最初からやらないほうが良いくらいであったのだ。

どんなに気合を入れても結果が出ない人は、研磨する素材を見直してみよう。

ご丁寧にキイロビンを購入すると研磨用のスポンジがついてくる。

まるでこれに研磨材を付けて磨けと言わんばかりである。

しかし、騙されてはいけない。スポンジごときでガラスは削れないというのが私の見解である。

メーカ側からするとキイロビンとはあくまで自動車のフロントガラスのうろことりのようなものだ。

万が一にもフロントガラスに傷をつけてはいけない。そんなことで訴訟など起こされてはたまったものではない。

そのため、専用のスポンジが付与されているのだろう。

酸化セリウムの性質上、化学的に研磨すべしということだと推測する。

しかしながら、今回は傷だらけ、打痕だらけの腕時計風防である。

すでにゴミ同然の部品なので、私のおすすめは、しっかりした布でごしごし磨ききることだ。

最初は水分を含みヌルヌルしているかと思うと徐々に摩擦がかかるようになる。

まさにゴシゴシと磨く手ごたえだ。この手ごたえの時によく研磨できているように感じた。

そして、この摩擦に添付のスポンジが耐えられるとは思えないのだ。

水分量を調節しながら、いくつかの布を試して、何やらいい感じの硬さの布があったので、それを使っている。

具体的には安い眼鏡拭きのようなものを使用しているが、感触的には帆布のようなものが良いのではないかと思っている。

こればかりは、いくつかの布を試して、自分に合ったものを見つけてほしい。

蛇足だが、ピカールなどの金属磨き程度では微動だにしない硬度であることも付け加えておく。

一時的に熱くて手を放してしまうくらいには摩擦熱が発生するほどの気合で磨き続けた。

次は絶対に研磨機を買おうと心に誓ったくらい厳しい作業であった。

やらないよりはやったほうが、だいぶいいくらいの結果

そして、気合の研磨結果がこれである。

満足度と良否判断は人により異なるかとは思うのでお任せする。

腕時計はどうしても細かいことが気になりがちな世界である。

そんな中でいえば、角は丸まり、平面も出ず、うっすら打痕や研磨痕も残る状態は合格点とは言えないかもしれない。

しかし、傷だらけの状態では、視認性が悪く使用もままならないので、やらないよりはましといった結果だ。

新品が手に入らない場合に限っては、実施する価値が少しくらいあるかと思う。

傷が味なんだといってもさすがに限度があるだろう。

そして、風防の傷が味であると主張するためには、他の部分はきれいにする必要がある。

私はどちらかというと、手入れ痕がこそが味であると主張したい派なのである。

そう、手入れしたものは新品とは異なるすごみ、オーラのようなものが漂うと思っている。

例えば、一切傷のない新品はきれいだが、こなれ感がなく、几帳面な印象を与えるだろう。

反対に、傷だらけのものは、ボロボロでみすぼらしく、人によっては良くない印象を抱くだろう。

そのため、使用による傷はあるが、よく手入れされているものは、ちょうどよいと思えるのである。

※あくまでも個人の感想ですw。

研磨しすぎて、手がボロボロになったため、今回はここまでとする。今後も腕時計の情報を書いてきたいと思う。

本記事が楽しい腕時計ライフの参考になれば幸いである。

それではまた。

まとめ

  • 研磨に必要なものはとにかく気合
  • 粗目で消えない傷はその後も消えない
  • エッジとコーティングは諦める
  • 新品が手に入るなら新品交換が基本
  • 心を込めて手入れされたものは、とにかくかっこいい

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