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偽物SEIKOプレザージュ813124にご用心

偽物SEIKOプレザージュの見分けは困難!

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!

と思ったが、やられた!まさか自分がつかまされるとは。つらい。恥ずかしい。

いまさらだが、以前手に入れたプレザージュが偽物であることが判明したのだ。

気づいたきっかけは、なんとなくとしか言いようがない。「なんとなく何か変だ」と違和感のようなモヤモヤした気持ちがわいてきたのだ。

そしてネットで調べたところ、シリアルナンバー813124が偽物であると確認できた。

なぜ、ネットの情報からシリアルナンバー813124が偽物であると確認できたのか、それは、ネットで紹介されていたプレザージュのシリアルナンバーが813124であったことと、私の持っているプレザージュのシリアルナンバーが813124であったからである。加えて、フリマ市場にも大量にシリアルナンバー813124が確認できたためである。

SEIKOの腕時計のシリアルナンバーは1桁目が製造年(西暦の1の位)2桁目が製造月、その他が製造番号4桁であり、少なくとも同じモデルで同じシリアルナンバーは存在しない。

このことより、セイコーの同一モデルの製造期間は10年以下で、製造数量は1か月に1万台以下ということがわかる。蛇足だが、2桁目の製造月11月と12月は「N」と「D」で表示される。加えて1桁目は西暦の1の位であるので、「8」と表示されていても1998年なのか2008年、2018年なのかは不明であるが、モデルのざっくりの発売年がわかれば推測可能な範囲である。

今回の813124でいえば、およそ2018年、1月に製造された3124台目のプレザージュであるといえる。ちなみに1か月に3000台の製造は、なかなかの数量である。工場の稼働が20日/月と仮定すると概算で150台/日の生産数となる。これは売れ筋とはいえ大量である。ただでさえ稼働日の少ない1月にである。

ちなみに、ネットで紹介していた人はSEIKOに問い合わせたと書いてあって、その結果は存在しないシリアルナンバーであったそうだ。ネットの情報がすべて真実とまではいわないが、シリアルナンバーが完全一致している同型モデルが、私のものを含めて3台以上確認できている状態である。

セイコーのプレザージュといえば、現行セイコーのベストセラーシリーズだ。特にカクテルシリーズは、そのクラシカルな外観と美しい文字盤との絶妙なバランスで世界中で人気がある。

まさに現代の腕時計だからこそできる素晴らしいコストパフォーマンスであるといえる。こんなにも素晴らしい腕時計がいつでも容易に手に入る国に生まれたことを幸せに思っている。

使用されているムーブメントも4Rから6Rにその派生ムーブメントと実に幅が広い。それ故に多くの限定モデルが販売されていて、地域限定モデルも多く存在する。

そのため、日本未発売モデルとか海外限定モデル逆輸入であるとかいうフレーズで売られているものもあり、その真偽を確認することは困難である。今回の品もそんな日本未発売モデルとして、フリマサイトで売られていた。マットホワイトの文字盤とサンレイ溝が魅力的に見えてしまっていたというのが本音である。

一番の反省点は、一切保証のないフリマサイトで購入したことである。まさに自らの無知と油断が招いた失敗であり、恥ずかしい限りである。

同じ思いの人を増やしたくないという思いで、本記事を書いているので参考にしてもらえれば幸いである。

ムーブメントやロゴに違和感がないか確認

以前にブランド腕時計の偽物と本物の見分け方は、ムーブメントを見ることであると書いた。

なぜなら、偽物は本物よりも安く作る必要があり、コスト的に本物同等品を作ることは不可能であるからだ。そして、腕時計で最もコストがかかる部分がムーブメントであるからだ。

そのため、偽物か本物かは、ムーブメントを見れば判断できると思い込んでいた。

確かに、本物と見間違うほどの偽物ムーブメントも存在はするが、そのコストを考えると実施するメリットは少ない。さらに言えば、真偽の判断にはムーブメントを見るという、その基本自体は間違ってはいない。

しかしながら、このプレザージュの偽物は、ムーブメントにほぼ本物(セイコーの普及ムーブメント「4R」の外販用ムーブメントである「NH35」)を使うという荒業に出ている。

その手があったか!というよりも、それで利益出るんかーい!というのが正直なところだ。偽物を作るのに、気合が入りすぎである。

そのあふれる情熱の本の一端でも新規ブランドの立ち上げに使ってもらいたいものだ。

ムーブメント以外にも、コピーするにあたり難しいのがそのロゴである。穴の開くまで本物と比べてみれば偽物と気づける可能性は秘めている。基本的にブランドロゴとはそのデータを厳重に管理しているため、容易に外には出回らないし、ブランドの思いが載る部分であるため、偽物では扱いきれないことが多い。

以下にこの偽物における判断ポイントをまとめてみた。

  1. 製造番号が813124(正規品には存在しない番号&同製造番号個体がネットにあふれてる)
  2. ムーブメントがNH35(SEIKO外販用ムーブメント)  
  3. ムーブメントハンマーに4R35のプレートが貼ってある。  
  4. ハンマーが銀色(本物は金色)  
  5. ブレスにSEIKOのロゴがない。ラグ接続部分が板金曲げ  
  6. ケースのラグ形状が太い  
  7. リューズの形状が直線的

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利益なさそうだけど大丈夫なのか

このタイプのプレザージュは普及モデルのため、新品本物であっても当時約35,000~40,000円ほどで流通していた。それに対し、この偽物の流通価格は20,000円前後だったらしい。

そこで、この偽物の原価をざっくり見積もってみた。

  • ムーブメント NH35(本物、外販用) :4,000~6,000円
  • ステンレスベルト無垢(偽物):1,000~2,000円
  • リューズ(偽物)      :500~1,000円
  • ケースASSY(偽物)     :2,000~3,000円
  • 文字盤(塗装なしの本物?) :1,500~2,000円
  • 3針(塗装なし本物?)    :500~1,500円
  • 組立費用(15分、中国)   :1,000~2,000円
  • 梱包、送料他        :1,000円
  • 合計            :12,000円以上

中国からの対応費、管理費、営業費、設計費もろもろを勘案すると赤字ではないかと思う。なんのために作ったのか意味不明な偽物である。そんなボランティアみたいなことができるなら、新ブランドを起こしてほしいくらいだ。

さらにたちが悪いことには、この値段は本物の中古市場価格と完全にかぶる。そのため、ネットフリマなどの中古市場で扱われると価格から偽物であることが判断しづらくなる。基本的にこの手の偽物は偽物であることがわかるように販売されている場合もあるが、ネットフリマまで落ちてくると、もはや販売者に悪意がない場合すら考えられる。

この偽物のこだわった点としては、ムーブメントのコストを落とさずケースとブレスを原価低減したことだ。ムーブメントが高品質であるので、腕時計としての機能はまさに本物と変わらない。ある意味良心的な偽物であるといえる。

驚くべき偽物のクオリティ

そしてこの偽物の特筆すべきは点はそのクオリティだ。ここまで気合の入った偽物である。そのクオリティは推して知るべしといったところだ。

特に感心するのは文字盤のクオリティである。これは塗装前の本物なのか、最初からコピーしたものなのか判断に困る。

セイコーの中の人に言わせればこんなもの見ただけでわかるだろといいたくなると思うが、ほとんどの一般人には見分けることは難しいのではないだろうか。

こと実用性に限って言えば、機械式腕時計の性能としては申し分ない。手持ちの簡易な精度計測では日差0秒となった。それは当然だ。ムーブメントが本物(NH35)なのだから。耐久性もセイコーNH35同等品といって問題ないだろう。

この文字盤は、色こそ塗られていないようだが、あまりに繊細なサンレイの溝が掘ってあり、マットホワイトモデルだといわれたら気づけない。本物はこれに美しい塗装が施され、さらに美しく輝いている。

よく見るとSEIKOのロゴも違うらしいのだが、私には印字もSEIKOのロゴも特に不自然には見えなかった。インデックスにも不審な感じはしない。

針も秒針に色が塗られていないだけで、本物と同じ形状に見える。たとえ本物と並べてみたとしても素人には見分けるのは難しいだろう。

本物と偽物を見分け方

明確に本物と違うのはケースのベルトの付け根、ラグ形状である。本物はもっと削り込まれていてシャープな感じとなっている。

ただこちらも見方によっては力強く感じてしまうかもしれない。まあ、いまさらだが、本物と比較すると細部が洗練されていないケースであることがわかる。

驚くほど計画的にコストダウンされている。これも見ようによってはもの凄い技術である。

裏蓋は特に偽物と判断できる情報が多い

裏側を見て、偽物かもしれないという違和感が確信に変わったといっていい。

多くの偽物は裏側が手薄なことが多い。裏側にはブランドロゴや型式番号や製造番号などごまかしの難しい表示が多くあるからだ。

この腕時計においての決定打はシリアルナンバーが「813124」であることだった。同モデルでシリアルナンバー813124の個体が2つ以上存在するという事実。つまりこの時点でニセモノ決定である。いくら作りが優秀でもSEIKOの検品を受けていないものである。

  • シリアルナンバーの印字位置も微妙に違う。
  • ベルトの付け根がフラッシュフィットじゃない(板金曲げ)。
  • ベルトにSEIKOのロゴがない。手首を曲げると勝手に外れる。
  • 自動巻きハンマーローターが銀色。本物は金色。
  • 実はローターの4R35の表示は、薄型の板金が両面テープで貼り付けてある。
  • リューズの形も微妙に違う。

もうこんなもの作らないでほしい

このように本物の部品を巧みに織り交ぜた偽物は見抜くことが難しい。

ただでさえ、プレザージュは多くのモデルがあり、海外モデルだといわれれば、疑うことは難しい。

一体どこで、ここまでのパーツを手に入れられたか、作れたかだけは不明である。

細かいことを言えば、このタイプのホンモノのプレザージュは23石の4R35Bが使用されている。

4R35Aで検索するとほぼ「813124」のものがヒットしてくる。

ちなみにこのロータにある表示はいかにも本物っぽい感じが出ているが、板金に印刷したものが貼り付けてあるだけだ。

なんと1,000円くらいで買うこともできる。機械そのものはNH35AというSEIKOの外販用ムーブメントである。

悪意の有無にかかわらず、このタイプはネットフリマサイトで大量に売り捌かれているので注意してほしい。

偽物の売買は根絶されるべきである。そもそも犯罪だ。それを差し引いても偽物として売買している間はまだいいが、売り手か買い手のどちらかが本物として取引した場合に悲しみが生まれる。

他にも数多くの偽物が出回っているが、このタイプは特に判断が難しいので、掲載しておく。

また追加情報があったら追記していく。本記事がステキな腕時計ライフの一助となれば幸いである。

それではまた。

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