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7L22 SEIKOキネティック キャパシタ交換

自動巻きクォーツ SEIKO キネティック

こんにちは、今回は自動巻きクォーツ式腕時計SEIKOキネティックcal.7L22ムーブメントのキャパシタ交換について紹介する。

そもそもSEIKOキネティックって何なんだろうか。キネティックの前身は1988年発売のAGS(Automatic Generating System)と呼ばれていたムーブメントである。

これは機械式時計のように回転式の錘、つまりは背面ローターで発電し、充電池に充電。クォーツ振動子で運針制御、コイルで駆動する充電クォーツ式ムーブメントといえる。

当時は、電池交換が不要、フル充電で75時間駆動であるエコなムーブメントとされており、機械式時計より精度がよく、駆動時間も長いといったものだった。

その後キネティックと名前を変えて、フル充電での駆動時間も6か月、オートリレーと呼ばれるパワーセーブ機能に時刻復旧機能追加と使い勝手は大幅に改善されてきている。

キネティックムーブメントの最も特筆すべき特徴は、ソーラー充電式腕時計も選択できる状況を加味すると、腕の振りなどによるローターの物理的な回転運動を電力に変換し動力源としていることである。

この部分の肝となるのが発電機構である。背面ローターの回転運動を電力に変換する効率向上が技術の腕の見せ所となる。そうなんとも伝わりにくい魅力のマニアックなムーブメントなのである。

そして、お気づきの方もいるかと思うが、この発電技術はグランドセイコーのスプリングドライブに応用されている可能性が高い。

確かにスプリングドライブの動力はゼンマイであり、背面ローターでゼンマイを巻き、運針もゼンマイの動力である。しかし、運針制御にはクォーツをつかっているため、水晶振動子を振動させる電力が必要なはずである。そこには発電機構が必要になるため、キネティックで培ったノウハウが生かされているはずだ。

そんなマニアックなキネティックムーブメントであるが、海外と比較して日本での人気と認知度が低すぎるという一面もある。まあ、これもSEIKOあるあるである。

そして、「電池交換不要」をうたっているが、充電池交換は必要なのである。ただその交換サイクルが8~10年と長く、ムーブメントの寿命やオーバーホール周期と同等となる可能性があるだけである。

交換部品の準備 3023-24T

そういうわけで、まずは交換する充電池を用意する。

こちらの価格は部品単価で約3,000円程度、純正部品のため在庫がなくなれば入手不能となるだろう。

通常のリチウムイオンボタン電池の寿命が2~3年で、価格が500円程度であることより、入手性と価格を考慮するとかなり微妙な価格設定であると感じる。


SEIKO[セイコー]純正 3023 24T コイン形チタンリチウムイオン二次電池 端子付きパナソニックMT920

そして、この電池本体はパナソニック製であると思うのだが、端子をスポット溶接することでSEIKO純正部品となっている。通常のボタン電池の誤挿入防止と考えられる。

裏蓋はスクリューバックで、MADE IN JAPANとそのデザインから気合の入ったモデルであることがわかる。

さっそく裏蓋を開けてみよう。

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分解、充電池(キャパシタ)摘出

裏蓋を開けるとローターが見える。これは通常の自動巻きと変わらない。

しかし、その裏側の構造はクォーツ時計である。

よく見えないので大きなローターを外してみる。

するとまず見慣れないものが2つ、ローターと連動した大型の歯車とやたらと大事そうに格納された充電池である。大型歯車の横には小型の歯車がおかれている。

これが回転数100倍ともいわれる充電用ギアの一端であろう。

ムーブメントそのものは簡素で無駄なコストはカットしてある。強いて言えば、装飾はパネルのヘアラインくらいだろうか。

クォーツ式にもかかわらず、地味に8石使われているところは、長期使用を前提に設計されており、やはり廉価版とは違う感じを醸し出している。

今回は電池交換と注油のみなので、どんどんばらしていこう。

ローター裏の歯車は固定されてないのですぐに取れる。

あとは大事そうに固定されている充電池である。今回のご本尊といったところか。

何やらネジ2つで留まっているのでこちらを外していく

続いてオレンジ色の絶縁フィルムを外す

これも特に難しいことはなかった。

すると充電池が丸裸になった。

あとはこれを取り外して、交換、逆の手順で組みなおせば、作業完了である。

作業そのものはとても簡単であった。

交換後は電圧不足を通知する2秒運針も姿を見せず、快調に動作している。

充電機構の歯車には大きな負荷がかかりそうなので、念のため注油しておいた。

この魅力的なデザインの腕時計は今後もレアなものとなるだろう。

今回はここまでとする。本記事がステキな時計ライフの一助となれば幸いである。

それではまた。

まとめ

  • マニアックな魅力のキネティック
  • キャパシタも交換が必要
  • 交換作業は比較的簡単
  • 独特の魅力を持ったレアムーブメント

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