ワインディングマシーンの常時使用は避けるべき
この世には電源を用いてグルグルと回転を続ける不思議な時計ケースが存在する。
確かに「時計がグルグル回っているとかっこいい」「見ていて幸せになる」という理由であれば問題はないので是非とも見終わった後に電源をOFFにしておこう。
「時計を止めないことで故障を防ぐため」「いつでもゼンマイフル巻きで使えるようにするため」という理由であれば今すぐ電源をOFFにしておこう。
なぜなら、基本的に機械は駆動するたびに各部が磨耗していく。
自動巻き時計をワインディングマシーンに設置してグルグル回す行為。
これは駐車場で車をアイドリングさせておくのとなんら変わらない行為だ。
無駄と消耗以外の何物でもない。あのマシーンはディスプレイであると判断しよう。
正しいゼンマイの巻き方と扱い方
自動巻き時計であろうと装着する直前くらいにゼンマイを巻き、時刻合わせを行えば良い。せいぜい10秒程度の作業だ。
ゼンマイもいっぱいまで巻く必要性はない。数回巻いてやれば動き出す。手巻き機能が付いていなければ、やさしくグルグルしてやろう。
なんならワインディングマシーンで巻いてやってもいい。
機械式時計と付き合うときはそのくらいの時間的な余裕は欲しいところである。
自動巻き時計のゼンマイはいっぱいまで巻き切ると過負荷を避けるために、香箱内でゼンマイを滑らせ動力を一部開放する動作を繰り返す。
この機構がなければ自動巻き機構がゼンマイを巻き切ってしまうからだ。
時計を止めたままにすると故障するなどという説がまことしやかに囁かれているが、機械ものである以上、動かしている方が故障する可能性が圧倒的に高い。
電池式よりもゼンマイ式の方が寿命が長いような気がする大きな要因は、使用していない時にゼンマイ式は動作していないからだ。
電池式は電池が切れるまで使わなくても動作を続け磨耗し続ける。
実際に時計を装着、使用している時間は短い。多くの人は、12時間/日以下ではないだろうか。
確かに、5年くらい動作させずに放っておけばオイルが固着し動作不可になるかもしれないが、どのみちオーバーホールの時期であるので、時計屋さんでリフレッシュしてもらおう。
オイル固着が不安であれば、月に1回動かせば十分である。
まあ、そんな小難しいことを考えなくても、時計を見つもめていると思わずゼンマイを巻いてしまうロマンチストなあなたは特に心配無用である。
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広告まとめ
- ワインディングマシーンはディスプレイである
- ゼンマイは使用前に巻く
- ゼンマイは巻きすぎない
- 全く動かさないよりも常に動いている方が消耗が激しい。