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キラキラする文字盤時計のススメ

キラキラした文字盤がステキな時計

こんにちは、今日も元気にメンテンスしていこう。

今回は、キラキラした文字盤を持った時計の魅力について書いていく。

腕時計の見どころの一つとして、文字盤がある。

最初の1本を選ぶ際には白文字盤1択であると思うが、スポーティーな黒文字盤も手に入れるとイロモノも欲しくなってくるだろう。

そんなあなたに、キラキラする文字盤を紹介しよう。

キラキラした文字盤の最大の特徴は、見る角度と光の反射によってキラキラと輝きながらグラデーションを見せる。

古い表現を用いるなら、ビックリマンシールのキラキラとも似ている。

しかし、そんな輝く魅力的な文字盤も大きな問題がいくつかある。

実は、キラキラする文字盤は現在では非常に数が少ないのである。

やはり、ただでさえ腕時計の需要が少なくなっている現代である。

何本も腕時計を持っている人は少ないのかもしれない。

そうなってくるとキラキラした文字盤の腕時計をわざわざ選ぶ必要はないだろう。

時計だけが浮いていても全体のコーディネートのバランスが崩れてしまいがちだ。

デザインの奇抜さ、これが1つ目の弱点である。

個人的な思いであるが、時計だけ、一点豪華主義で浮いているのはあまり印象が良くないと思う。

特に靴に予算を多く割くべきであるとすら思っている。

しかしながら実際は、お金をかけやすいのが腕時計であるために、ちょっといいものを買うと腕時計が最も高価になりがちである。

10万円の靴は明らかにハイクラスであるが、10万円の時計は入門かミドルクラスがいいところである。

そんな背景もありながら、キラキラ文字盤はその数を減らしている。

だからこそ、今キラキラした文字盤が熱いのである。

キラキラ文字盤全盛期

そんな絶滅危惧種のキラキラ文字盤であるが、ある時に最盛期を迎えたことがある。

それが1970年代である。

海外製の腕時計や国産腕時計、とりわけSEIKOやシチズンあたりも多く作っていた。

カラー文字盤と呼ばれたそのシリーズは、夏をイメージしたデザインが多かったようだ。

カットガラスが夏の日光を反射する様子は、まるでミラーボールのようであったであろう。

このカットガラスなるものは、現在では明らかに絶滅種であるといえる。

化石モノといっていい。市場にあるものは傷だらけのものが多く、視認性も悪い。

これが弱点の2つ目であり、かなりの厚みと盛り上がりがあったため、傷がつきやすかったのだろう。

あっという間に消えていった部品である。

しかし、新品のカットガラスは実に美しくまるで宝石のようである。

まあ、見てのとおりかなりのイロモノ感であり、昭和レトロでなければどうなのかといったデザインである。

だからこそ今一度復刻してもらいたいところではある。

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派手な見た目に隠された悲しい生い立ち

このカラーシリーズ、そのド派手な見た目とは裏腹に悲しい生い立ちをまとっている時計たちだ。

カラーシリーズが乱立した1970年代に何があったかといえば、そうクォーツショックである。

セイコーアストロンとその後のクォーツ腕時計の普及は、機械式時計の歴史に終わりを告げていた。

時計という機能に限って言えば、機械式時計の存在意義はなくなってしまったからである。

まさに腕時計界のイノベーション、パラダイムシフトである。

そんな流れに必死に抵抗したのがカラーシリーズである。

奇抜かつ衝撃的なデザインで、生き残りをかけた戦略であった。

冷静になれば、デザインなどクォーツ時計でもできるじゃないかと思うのだが、そのくらい追い込まれていたというほかない。

機械式時計がクォーツ時計に勝っている点は駆動トルクくらいである。

クォーツでは回せないような大きな針を豪快に回す。

この圧倒的なパワー感だけはクォーツにはまねできない機械式時計の魅力の一つだ。

それに合わせたごついデザインがアイデンティティであったと思われる。

しかし、時代は1970年代、薄型で軽量なスマートな時計が正義とされた時代である。

とてもではないが、当時のクォーツ時計の勢いに対抗できるようなものではなかっただろう。

事実、1980年代に発売されたG-SHOCKは大きすぎてエレガントではないという理由で見向きもされなかった。

大型の時計が流行るのは、G-SHOCK、デジタル時計ブームの1990年代まで待つことになる。

これが3つ目の弱点、時代が追いついていなかった。これは現代では弱点に含まれないだろう。

今だからこそより輝くキラキラ文字盤

そんな悲しい歴史のせいか、現代では数を減らし、あまり売れている様子もない。

正確には現代に知られていないのではないかとすら感じている。

キラキラ文字盤のもう4つ目の致命的弱点は、カメラ映りが圧倒的に悪いといことである。

「映え」が重視される現代に逆行している。

原因としては、人間の目は立体視であるがカメラは単一であることが原因の一つであると思われる。

ここにきてまたもや逆風に吹かれているのだ。なんか涙が出てきた。

チャラチャラした見た目だが、まじめで忍耐強い奴らなだけに余計こみ上げるものがある。

さらにキラキラ文字盤の5つ目の弱点がある。

まだあるのかといったところだが、自然光よりは照明下でのほうが美しく見える。

これは完全に罠である。光の加減で美しく見えるはずの文字盤が、まさかの太陽光ではうまく輝かないという現実。

最近、発売されたものでいうとSAVE THE OCEANシリーズのマンタ文字盤は、輝く水面とその下で泳ぐマンタを美しく表現している。

角度によっては、文字盤表面は水面の乱反射のように輝き、水中に泳ぐマンタを見ることはできない。

角度を変えると透き通った海に泳ぐマンタが浮かび上がる実に美しい文字盤である。

ほんの30mmくらいの平面にこれだけの表現が盛り込めるのかと感動したくらいである。

それにもかかわらず、ひとたび日光下で見るとただのざらついた文字盤にしか見えずびっくりした。

いうまでもなくカタログでもその美しさは全く表現できてはいない。

これでは、ほとんどの人にその美しさや感動が理解されることはないだろう。

実に悲しい文字盤である。

そんな悲しい文字盤であるが、一部のマニアにはわかるようであり「モルフォ蝶文字盤」などと呼ばれ、現代でも人気がある。

ぜひとも一度実物を見ていただきたい。

その吸い込まれるような美しさに、時計とは思えない奥行きを感じられるだろう。

そんな、弱点や過去をすべて受け入れたとき、あなたにだけ美しい姿を見せてくれるのがキラキラ文字盤の真の魅力である。

この美しさに魅入られたとき、もうキラキラした文字盤が欲しくてたまらなくなるだろう。

そんな、魅力がより多くの人に伝わればよいと思っている。

似たようなスペシャルな文字盤に琺瑯文字盤もあるので別記事で紹介しているので、興味のある方は参考にしていただければ幸いである。

今回は、ここまでとする。

また、時計情報について書いていきたいと思うのでよろしく。

まとめ

  • キラキラした文字盤は美しい
  • ド派手な見た目に悲しい生い立ち
  • 弱点だらけの美しさ
  • だからこそ今美しい
  • あなたにだけ魅せる美しさに感動できる

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