機能の確認項目
こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。
今回は、アンティーク時計の機能をチェックする。
アンティーク時計に限らず時計の機能というものは多くの種類がある。
当然ながら基本機能は時刻を確認することである。
しかし、知ってのとおり、付加価値を持たせるために時刻の確認以外の機能も多く存在する。
また、動力形式の違いによる違いもある。
アンティーク時計はそのコンディションがまちまちのため、個別にチェックする必要がある。
そのチェック項目や機能の選び方などを紹介していこうと思う。
機能をチェックし気に入ったものに出会えれば、是非とも譲ってもらおう。
確認項目を下記にまとめる。
- 精度
- 動力
- ゼンマイ式:手巻き
- ゼンマイ式:自動巻き
- 電池式:ボタン電池
- 電池式:太陽電池
- ハイブリッド式
- 稼働状態
- 時刻調整機能
- 防護機能
- 防水機能
- 耐衝撃機能
- 耐磁機能
- その他付加機能
- カレンダー機能
- ストップウォッチ機能
- 月齢機能
精度
アンティーク時計、中でも機械式時計の精度については、あまりこだわってはいけない。
譲ってもらう人に気になるほどの時刻の進みや遅れがあるか、参考に聞いてみるくらいでよい。
使用する環境によるが、±5分/日以下であれば、実用に十分な精度であると判断できる。
たまに勘違いをしている人がいるので、確認のため書いておくが、時計の価格と精度は必ずしも比例しない。
50万円するロレックスと1,000円で買えるカシオスタンダードなら、カシオスタンダードのほうが精度はよい。
たとえ1,000万円する特注の時計であっても機械式の振り子(テンプ)を用いている限り変わらない。
そのくらい機械式時計とクォーツ式時計には根本的差分がある。
例えるなら飛行機に車が追い付けないのと同様である。
クォーツ式時計に比べて、機械式時計の価格が高いのは、ゼンマイと歯車で精度を出すことが難しいからだ。
ゼンマイと歯車で構成された時計を実用レベルまでもっていくのは、ある程度の技術力を必要とする。
そして、突き詰めたとしても重力や摩擦、温度、使用環境などの外的要因でその精度は保証することはできない。
あとは使用者の使用環境に合わせて選べばよいかと思う。
1日±5分程度ずれても問題のない生活の方は好きなものを選び、分刻みの生活の方は高品質な新品のクォーツ時計を選ぼう。
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広告動力
譲ってもらう人に聞くか、時計を見て判断する。時計自体に記載がある場合が多い。わからない場合は時計裏蓋に表示のあるの型式を調べることで大抵判別できる。
- ゼンマイ式:手巻き precision (記載なしの場合もある)
- ゼンマイ式:自動巻き automatic
- 電池式:ボタン電池 quartz(水晶振動子の意味)
- 電池式:太陽電池 solar
ゼンマイ式:手巻き
ゆっくりと丁寧にリューズを巻き上げる。カリカリという心地よい音と共にゼンマイが巻かれ、やがて秒針が動き出す。
ダイバーズなどリューズが時計回しに回転できないものはネジ式の防水構造となっている場合があるので破損に注意すること。
ゼンマイ式:自動巻き
優しく時計を回すように振る。時計内のハンマーが回転するとともにゼンマイが巻かれ、やがて秒針が動き出す。
手巻き機能付きのものについては、手巻きと同一の作業で確認可能。
電池式:ボタン電池/太陽電池式
電池式であればすでに秒針は動いているはずだ。止まっている場合は電池切れか故障である。
稀にソーラー充電式のものもあるので太陽の光に当てしばらくすると動き出すはずだ。
稼働状態
時刻調整機能
12:00を正しく表示するか確認する。現在時刻位置合わせる。大抵の場合はリューズを優しく引き出し回してやると分針、時針が動き出す。
アンティーク時計の場合、特別な理由がない限り正回転で時刻合わせを行う。カレンダー機能がなければ、リューズは通常一段引き。
このあたりは、繊細なので丁寧に扱うこと。電波式の場合は、受信操作で時刻合わせが行われる。
防護機能
防水機能、耐磁機能、耐衝撃機能など。信頼性の観点から付加しているに越したことはないが、確認が難しいので、あったらいいなくらいに考える。
その他機能
カレンダー機能、ストップウォッチ機能、月齢機能などどれも時計の付加機能。時計ごとに操作方法を確認する。
私はアンティーク時計の場合、故障要因であるため、特別思い入れがなければ、気にしないようする。
セイコーの56系ムーブメントのカレンダー早送り機能は大抵故障している。