定期メンテナンスの定番オイル交換

- 作業難易度 :★★(特別難しくはない)
- 事故時の危険度:★★(火傷の危険あり、エンジンが冷えていることを確認)
- 体感度 :★(エンジン性能には直接影響しない)
- 作業時間目安 :約40分
- 予算 :約5,000円(オイル、オイルフィルタ)
- メンテ周期 :約5000km
- 注意点 :トルクレンチとオイル処理材を準備すること
こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!
前回、せっかくカウルを外したので、オイルとオイルフィルタも変えておく。
オイルはカウルを外さなくても交換可能であるが、オイルフィルタはアンダーカウルとサイドカウルを外す必要がある。
エンジンオイルって交換する必要あるのか
あまり深く考えたことはないが、バイクにおいて、エンジンオイルは最も過酷な環境にさらされている液体の一つだ。
エンジンオイルの主な機能はエンジン内機関の潤滑であるが、密閉と洗浄、放熱の機能も果たさなくてはならない。
オイルなので当然、エンジン内部の回転部やピストン周りの潤滑を担っている。
この時のエンジン回転数はアイドリングで1500回転/分。
最大負荷時は10000回転/分という負荷がかかる。
シリンダーで混合気が爆発するたびに高温、高圧にさらされる。
さらにはシリンダー内部で燃え残ったススや熱くなったシリンダーを冷却する仕事まで任されている。
車よりバイクのエンジンオイルの交換サイクルが早いのは、平均エンジン回転数と圧縮率が高いためであると推測できる。
まさにブラックな職場環境である。
そんなブラックな働き方をしているエンジンオイルの寿命は短いので、さっさと交換してしまうほうが良い。
ちなみに特に指定がなければ、エンジンオイルは鉱物油で十分である。TL1000Rも鉱物油指定である。
公道走行程度の負荷であれば、わざわざ高級オイルを入れる意味はあまりない。
[ad01]
難しくないが、作業は慎重に
まずは、古くなったオイルを抜いていく。
エンジン下部にあるオイルドレンボルトを外すことでオイルが抜ける。
排出されたオイルをトレイかオイル処理剤などで受けておく。
まあ、オイルを抜く前にエンジンを温めておくと抜けやすくなるなどはあるが、あまり細かいことは気にしなくていい。
どちらにせよすべてのオイルを抜き切ることはできない。
80%も入れ替われば上等であるといえる。
オイルが抜けて滴る速度が遅くなったら(満足したら)排油完了である。
忘れないうちに、エンジン下部のオイルドレンボルトを規定トルクで締めつける。
オイルドレンボルト規定締め付けトルク:11N・m
締め付けトルクを軽く見る人がいるかもしれないが、バイクや車には重要なボルトがある。
ザックリいうと緩んだり、ねじ切ったりすると困るボルトである。
私は全ボルトとねじ類は、少なくともトルク管理されるべきと思っている。
その中で最も重要なもののひとつがオイルドレンボルトである。
緩んでも、ねじ切っても走行不能、整備工場行き決定である。
緩んで外れた場合は最悪で、オイルを公道にまき散らし、エンジンが焼け付きロックした挙句、オイルで滑って大破が予測される。
体もバイクもバラバラになる。悪いことは言わないのでトルクレンチは用意しておこう。
確実にオイルドレンボルトを締め付けたら、可能な限りドレンボルト周りは清掃しておこう。
後々、オイル漏れなどの症状を見つけることができる。
オイル交換だけなら、オイルを足して作業完了となる。
ちなみに今回写真が少ないのは、前作業のプラグ交換ですべてのガッツを使い果たしたためである。
オイルフィルタは専用レンチで取り外す

オイルフィルタレンチは専用レンチを用いて外す。
調整式のものもあるので、好みのほうを選ぼう。
私はオイルで滑ると嫌なので固定式のレンチを使う。
使い方は至極簡単で、オイルフィルタの頭に専用レンチをかけて反時計回りに回すと外れる。
この時オイルフィルタ内のオイルが漏れ出るので注意すること。
こちらもオイルキャッチトレイなどで回収しておこう。

ちなみにTL1000Rについては、ラジエターの支持金具が邪魔なので外すとスムーズに作業できる。
土や泥を巻き上げて、この辺りはドロドロである。
古い車体なので、ややオイルも吹いているように思う。

軽く清掃したら、新しいオイルフィルターを逆の手順で取り付ける。
この時Oリングにうっすらオイルを塗っておくとねじ込み時にスムーズになる。

こちらも規定トルクで締め付ける。
オイルフィルタ規定締め付けトルク:20N・m
オイルフィルタを締め付けて、オイルドレンボルトが確実に締まっていることを確認する。
最後にエンジンオイルを注入して完了である。
エンジンオイル量:約3300ml(オイルフィルタ交換時)
上記目安はあるが、実際にはオイルが抜けきっていない可能性があるので、オイルレベル確認窓からオイル量を確認しながら少しずつ足していく。
ちなみにオイルレベル確認窓は、車体を水平状態にする必要があるので、メンテナンススタンドがあるといいだろう。
センタースタンドのないTL1000Rについては、メンテナンススタンドはあるとすごく便利である。
以上、特に難しい作業はないので、この程度なら自分でやってもいい作業かと思う。
作業にあたっては、最低限トルクレンチだけは準備したい。
今後もメンテナンス情報を伝えていくのでよろしく、それではまた。