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SEIKO5のコンセプトを再確認する

斬新なコンセプトだったSEIKO5

こんにちは、今回はSEIKOの大人気シリーズのSEIKO5について紹介していく。

SEIKO5といえば、言わずと知れたベストセラーで時計好きでなくとも聞いたことがある人は多いのではないだろうか。

現代では廉価版の代名詞のように扱われている。

挙句の果てには「5」のエンブレムがあるものより、ないもののほうが人気があるくらいである。

しかし、SEIKO好きの私としては、「5」の本当の意味、コンセプトが伝わっていないようにすら思う。

そのため、今回は改めてSEIKO5のコンセプトを確認してみようと思う。

具体的には下記5つのコンセプトを持った時計とされている。

  1. 高い巻き上げ効率を誇る自動巻機構
  2. 品質を末永く保護する防水機構
  3. 3時位置一つ窓の見やすいデイデイト
  4. 4時位置に隠された巻かなくてよいリュウズ
  5. 金属バンドを装着した男性的なデザイン

今では当たり前の内容も多くあるが、SEIKO5が誕生した1963年当時としては画期的だったに違いない。

60年もたつと当時のコンセプトも希薄に感じるが、同時に60年たっても腕時計に求められるコンセプトは大きく変わっていないということである。

いかに当時のセイコーの腕時計の完成度が高かったかが伺える。

ちなみに初代はセイコースポーツマチック5

高い巻き上げ効率を誇る自動巻機構

一つ目はこれである。

具体的にはマジックレバーといわれる機構のことを指しているであろうと考えられる。

自動巻き機構自体は、あのROLEXが作り出したといわれているが、当然特許関係も絡むために、各社独自の自動巻き機構を用意していた。

SEIKOはマジックレバーと呼ばれる回転錘がどちらに回転してもゼンマイが巻き上げられる機構を搭載している。

回転錘の裏に設置された2本の特徴的なアームとその歯車、これがウネウネと動くことにより、ゼンマイを巻き上げることができる。

いろいろあるが、この機構を思いついた人はすごいと思う。回転運動をリンク動作に変えて、再び回転運動に変換している。

通常ならギアでつなぎたくなるのが人情である。

実際に、ハイエンドムーブメントである52系、56系の自動巻き機構にはマジックレバーは搭載されず、切り替え式の歯車が搭載されている。

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品質を末永く保護する防水機構

二つ目の防水機構であるが、これは、当時の腕時計は非防水が当たり前であったからと推測できる。

それどころか、汗すら防ぐのも難しかっただろう。

そもそも腕時計は高級品だから、濡れるような場所へもっていくものではなかった。

だからこそ、ROLEXの防水ケースであるオイスターが衝撃的であったのだと思う。

そのため「スポーツ」と名付けられたモデルは、今までにないアクティブなイメージを持っていただろう。

少なくとも裏蓋に防水パッキンを搭載することで、汗くらいは防げるようにしたはずだ。

今では、200m防水をクリアするほどにSEIKO5の防水性能は引き上げられている。

しかしながら、腕時計が精密機械である事実は変わらない。

そのため、水没や衝撃の想定されるスポーツモデルのムーブメントは不具合時には換装が想定されているはずだ。

スポーツモデルにハイエンドムーブメントが搭載されづらいのは、そのような背景があるだろう。

3時位置一つ窓の見やすいデイデイト

これはどうやらSEIKO5で初搭載となったようだ。

デイデイトは曜日と日付の表示を持っていることであるが、別枠の窓で表示されることが多かったようだ。

当時は、まだ目新しくかなり流行ったようで、同時期の腕時計にはデイデイト表示があるものが多い。

現代では、デザイン的にうるさくなるためか、曜日表示まではないモデルも多くある。

4時位置に隠された巻かなくてよいリュウズ

これが、現代ではあまり見られない仕様であるといえる。

同時にこの機能が別の機能に置き換えられてSEIKO5が語られることも多いだろう。

これは1番目の高い巻き上げ効率を誇る自動巻機構を搭載していることと、精度に自信がなければできないことである。

わざわざ、リューズを操作しづらくしているのだ。

メリットとしてはデザイン的な特徴となるが、現代ではリューズも重要なデザイン要素となることや、日差の修正、やっぱり便利な手巻き、ねじ込み式による防水性能向上などの理由で隠されることはなくなった。

結果として、厳密には現代のSEIKO5ではこのコンセプトは適用されなくなっていると思う。

4時にはあるが、隠されているかというと微妙なところである。

4時にある時点で隠されているんだよと言い訳するしかない。

まあ、些細なことなので良しとする。

金属バンドを装着した男性的なデザイン

5つ目はまさかのこれである。

当時を知らない私としては、やや衝撃的である。

確かにスポーツで大量に汗をかくなら、レザーベルトは最善ではないとは思うが、これは、レザーベルトが標準であったことを意味している。

さらに金属バンドが男性的なイメージもなかった。

このころからSGPや金貼りなどのモデルは数を減らしていったのだろうと推測できる。

どうだっただろうか、当時を知らない私としては衝撃的な内容であったのだが、現代の時計の基本も含まれており、1960年代としては先進的な内容であると感じた次第である。

今回はここまでとする。

本記事が時計ライフの一助となれば幸いである。

それではまた。

まとめ

  1. 高い巻き上げ効率を誇る自動巻機構→マジックレバー
  2. 品質を末永く保護する防水機構 →防水パッキン
  3. 3時位置一つ窓の見やすいデイデイト
  4. 4時位置に隠された巻かなくてよいリュウズ
  5. 金属バンドを装着した男性的なデザイン

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