さりげなく「靴を履く」「靴を脱ぐ」

靴べらをつかう

日々の取り扱いもメンテナンスの一部だ。正しい取り扱いをすることで、長く気持ち良く使うことができる。靴の脱ぎ履きは毎日のことであるので、基本的な取り扱いを示す。

  • 靴べらを使い、足を靴に入れる
  • 靴紐を結ぶ
  • 靴紐を解く
  • かかと部分を手で持って脱ぐ

ほとんど、当たり前のことであり、子供の頃から繰り返している靴の脱ぎ履きの基本だ。まずは、革靴でなくともかかとのある靴を履くときは、靴べらをつかうようにする。靴べら自体は、安いものなら100円程度からあるので、準備するのが難しい人は稀である。気に入ったものを玄関に一つ準備しておこう。

特別理由がなければ、プラスチックか木、動物由来のものを使用するといい。金属では固すぎて、靴を傷つけてしまう可能性がある。しかしながら、まずは使うことが重要だ。気に入ったものが金属であればそちらにしよう。

靴べらをつかう理由は、靴を壊さないためだ。革靴はとても頑丈であるが、基本的に替えがきくのは靴底くらいだ。特にかかとは靴の要であり、最も荷重のかかる部位だ。

靴はかかとを軸に形作られている。ここが壊れるということは。その靴が終わるということだ。靴べらを使うことでかかと部分への摩擦と負荷を軽減することができる。

かかとを踏んで歩くなどもってのほかである。それなら、サンダルを履くか、最初から靴を履かない方がマシだ。実際はどうかはわからないが、だらしなく、身勝手な人に見えてしまう。

靴べらを使うようになると、靴の脱ぎ履きをするところで、靴べらがないことが非常に気になる。つまりは、「靴べらすらない玄関から客人を送り出すのは非常に失礼なこと」ということに今更ながら気づかせてもらえた。

友達や親族の家であれば、特に気にすることはないが、仕事の取引先となると今後の付き合いを考えてしまうレベルだ。

そのため、出先では我慢するか、小型の靴べらを持ち歩くことにしている。


[Musowood] 天然木 靴べら 木製 38cm (Walnut)

靴紐を結ぶ、靴紐を解く

靴を履くときは、必ず靴紐を締めてから歩きだそう。これも当たり前であるが、今一度書く。靴紐を締めないと、かかとが靴から浮く。これではまともに歩けないし、靴底の減り方が異常になる。靴紐を締めてなおかかとが浮く場合は、サイズが合っていない。

さらに靴紐が緩んでいると羽が開き、とてもだらしない印象がある。全くもっていいことがない。

靴を脱ぐときは、必ず紐を緩めよう。同時に履くときの準備となる。というよりも、紐を緩めなければ靴は脱げないはずだ。もし、紐を緩めずに脱げるなら、紐が締めていないか、サイズが合っていない。

そうはいっても、なぜか無駄に靴の脱ぎ履きが多いのが、日本という国の特徴だ。未だに納得できないのが、学校で使っていた上履きだ。

板ばりで、激しい運動をする体育館で履き替えるのは理解できるが、タイル張りの教室に入るのに上履きに履き替える意味がわからない。しかも体育館で履き替えるものとは別だ。私は家の玄関以外で靴を脱ぎ履きする必要性はないと感じている。

そんな教育もあってか、日本の人は靴を履き替えることに疑問を抱かない。そんな社会で靴紐を結んだり、解いたりするのは、他の人を待たせているようで気がひける。「早くしろ、そんなめんどくさい靴を履きやがって」という声すら聞こえてきそうだ。

そんなあなたには、靴紐のない以下の靴がお勧めだ。

  • モンクストラップ
  • タッセルローファー
  • その他ローファー、サイドエラスティックシューズ
  • グルカサンダル

靴紐のない靴はどうしてもラフなイメージとなってしまう。そもそも、「ローファー=怠け者」という意味なので、靴紐を結ばない者は、横着の怠け者ということだ。

しかしながら、先述した日本の風習に比べれば大したことはない。紐を緩めてブカブカに履いたり、かかとを踏んで歩くより100倍マシである。

紐なし靴の中でも、モンクストラップとタッセルローファーはエレガントな部類に入る。黒を選ぶことで、冠婚葬祭を除きほとんどの場面に対応できるはずだ。ただし、紐がないことで、サイズ選びがシビアになるのでその点は注意する。

[ad01]

かかとを手で持って脱ぐ

これも、サイズの合った靴を正しく履いていれば、必然的に手で持たないと脱げないはずだ。これもかかとを擦り合わせて脱ぐような方法は、かかと部分を痛めてしまう。

以上色々書いたが、全部を毎日実現することは難しいので、気づいた時に少しづつやっていくようにしよう。正しく使用することで、確実に靴は長持ちし、身だしなみが整い、セルフイメージが高まり、結果として相手に与える印象を変えられるはずだ。

まとめ

  • 靴のかかとは重要部分
  • 靴を履くときは靴べらをつかう
  • 紐は毎回結んで、解く
  • 靴を脱ぐときはかかと部分を手で持って脱ぐ