オイル交換2回に1回はフィルターも交換
- 作業難易度 :★(特殊工具が必要)
- 事故時の危険度:★(切り傷、あざ、ヤケド等)
- 体感度 :なし(何も変わらない)
- 作業時間目安 :15〜30分
- 予算 :約3,000円(オイルフィルター代)
- メンテ周期 :10,000〜20,000km毎
- 注意点 :エンジンが冷えてから作業を行う
こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!
今回はオイルフィルター交換について書いていく。
オイルフィルターの役割としては、オイル内の汚れやごみを取り除くことだ。
結果として、オイルの交換サイクルを伸ばすことができる。
古くなった車ほどこの部品の重要度は高い。
オイルと同時交換か、オイル交換2回に1回くらいは変えておきたい部品である。
しかもありがたいことにものすごく交換しやすい位置に設置されている。
さらに親切なことに締め付けトルクまで記載されているという手の込みようだ。
同じE90でもエンジン型式ごとに微妙にオイルフィルターの型式も違うので、部品番号をよく確認しよう。
【BMW純正】 BMW 3シリーズ オイルフィルター E90 E91 E92 E93 E46 316ti 318ti 318N42用 11427508969必要なものを揃える
まずは作業に必要なものを揃えよう。
交換に必要なOリングはオイルフィルタに付属している。
さらにオイル交換に必要な銅ワッシャまで付属しているので、オイル交換と同時に実施できると効率的だ。
- エンジンオイルフィルタ 1個
- オイルフィルタレンチ
- トルクレンチ 25N・m設定
- マイナスドライバー
- ウエス(キッチンペーパーでも可)
まずはボンネットを開ける
作業前に車両周囲の安全を確認したら、ボンネットを開ける。
言うまでもないが右ハンドル仕様であれば、運転席のアクセルペダルの右側に開放レバーがある。
レバーを引き出すとボンネットが半開状態になる。
ボンネット中央裏側にあるレバーを引き上げて、ボンネットを開放しよう。
ボンネットダンパーが弱っているようならこちらも交換だ。
とにかくこまめなメンテナンスが大きな故障を防いでくれる。
これがボンネットのロックレバー。ここはどの車も大抵同じ造りだ。
エンジンが十分冷えていれば特におおきな危険はない。
エンジンが冷えていることを確認する
ボンネットの中のエンジンルームが覗ける。確実にエンジンが冷えていることを確認してから作業すること。
走行してすぐはエンジンやエンジンオイルが100℃を超えている可能性がある。
ボンネットを開放したときは、常に異常がないかを確認しよう。
具体的には、オイルの漏れや冷却水の漏れ、ホース類の破損、ねじの緩み、異物の侵入などだ。
各部品の取り付け状態も確認しいつもと違う部分がないかを確認しよう。
早期発見が大きなトラブルを防ぐのは人間の健康と似ている。
大きな違いは機械ものは自然治癒をしない。基本的に崩壊していくのみであるということだ。
そんな思いで、濡れ雑巾でエンジンルーム内の鉾k利をふき取りながらチェックしよう。
洗車がメンテナンスの基本と呼ばれるのは、掃除した部分の異常を発見できるからだ。
オイルフィルターを外す
エンジンルームの手前にあるエンジン内部のカバーのすこし奥にオイルフィルターケースが見える。
黒いドーム状キャップのクラゲみたいなやつだ。
この中にオイルフィルターが収められている。
実にありがたい位置に設置されていてうれしい限りである。
黒いクラゲを拡大した写真。ケースには丁寧に締め付けトルクが記載してある。
このメンテナンス性がBMWの大きな魅力だ。
特にオイル漏れもないが、このアルミボディのつなぎの部分からは オイル漏れ常習箇所である。
常にチェックを怠らないようにしよう。
まあ、にじむ程度のオイル漏れならすぐにどうこう言うことはないので心配はいらない。
要するに次のオイル交換をするまでに、走行に支障のない量が残っていればよいのだ。
よくE90はオイルの消費が激しいといった書き込みを見る。
どちらかというと消費というよりは、その症状はオイル漏れではないかと思っている。
確かにオイルはシリンダー内で燃えてはいるが、目に見えて減ることはあまりないと思う。
そして、オイル漏れ常習箇所は、エンジンヘッド、オイルフィルターカバー、オイルパン接続部、バキュームポンプあたりだ。
特にオイルパンとバキュームポンプは確認しづらいので、漏れていても気づかないかもしれない。
走行中にオイルが焼けたような、焦げたにおいが車に入って来るようなら、相当量のオイルが漏れている。
これは漏れたオイルが、排気管に滴って焼けているときのにおいだ。
京都機械工具(KTC) カップ型オイルフィルターレンチ AVSA-086それはそうと、作業を進めていこう。
オイルフィルターケースを外すにはオイルフィルターレンチが必要になる。
これがオイルフィルターレンチの写真だ。車種ごとにサイズが異なるので、品番を確認しよう。
なんとオイルフィルターを外すためだけの工具で他には一切使えないというレア工具である。
一生涯で100回は使わないであろう。
特別高くはないが、あると邪魔というデメリットがある工具だ。
まあ、トランクルームの片隅にしまっておいてあげよう。
使い方も至極簡単、例の黒いクラゲの頭にカポッとオイルフィルターレンチをかぶせる。
天面に空いた穴にレンチをかけて反時計回りに回せばオイルフィルターが取り外せるはずだ。
写真のようにレンチを取り付け、反時計回りに回す。
形状的にソケットレンチや眼鏡レンチでもよさそうである。
スパナはなめやすいので、あくまで最終手段的に使用すること。
ある程度緩めたらあとは手で外せるはずだ。
オイルフィルターケースはプラスチックでできているので気を付けて扱おう。
素朴な疑問だがこんなところに樹脂部品を使用して問題にならないのだろうか。とても興味がある。
多くの場合、樹脂部品にオイルが振れると劣化してボロボロになることもあるからだ。
ここまでくればあとは引き上げるだけだ。真っ黒に汚れたオイルフィルターが上がってくる。
つい先日オイルを変えたばかりなのにもう真っ黒である。
なんて過酷な環境であろうか、透明なのは入れているときだけであるようだ。
オイルフィルターを取り外すときはオイルの垂れに注意すること。
まあ、垂れたら拭き取れば良いのだが、めんどくさいので極力たらさないように作業する。
エンジン内部への異物混入に注意
オイルフィルターが入っていた場所、異物の落下に注意すること。
この穴の先はエンジン内部につながっている。心配であればタオルを突っ込んでおくか、蓋をしておけば異物落下を防げる。
小さいネジなんか落ちたら一大事である。取り出す方法はほとんど思いつかない。
そんなリスクをなくすためにもボンネット内にモノを置かないことが重要だ。
まだまだオイルフィルターは取り外せない。オイルフィルターがカバーにはめ込まれているからだ。
不思議なことに引っ張っても一向に外すことができない。
オイルでドロドロなのであまり触りたくないが、衝撃を加えると外すことができる。
交換部品を取り外す
前述したとおり、オイルフィルターをケースから引き抜くことは難しい。
そのため、硬い部分にコンコンと優しく打ち付けるとフィルタがずれる。
オイルフィルターとカバーが分離した状態。これが、エンジンオイル内部の異物を取り除いてくれているフィルターだ。
主には鉄粉やすすなどであろうが、見ての通り真っ黒である。
ヒダヒダのオイルフィルターは廃棄して、新品のものに入れ替える。
樹脂部品であるフィルターカバーは再利用する。
フィルターカバーには合計3個のOリングがはめ込まれているため、マイナスドライバーなどで外していく。
この時、極力カバーのプラスチック側に傷をつけないよう注意すること。
ゴム部品は劣化で硬くなっていることもあるので、取り外しが難しい場合は切っていしまってもいい。
まずは先端に一つある。
すぐ上に2個目のOリングがある。大きさもほぼ同じくらいだ。
3個目のOリングはなぜか特大サイズである。こちらも取り外しの上、廃棄対応だ。
全部品が外れた状態。プラスチックのフィルターカバー以外は廃棄する。
新品部品を取り付けする。
逆の手順で Oリングを3か所カバーにはめ込み、オイルフィルターをフィルターカバーにはめこむ。
この時Oリングにはうっすらとエンジンオイルを塗りこんでおくことで、スムーズに取り付けできる。
そのまま、あったところに戻す。
フィルター側のネジ部は樹脂なので、破損しないよう注意する。
最初は手で優しく締めこもう。
オイルフィルターを締め付ける
ゆっくりと時計回りに締め込んでいく。
破損防止のため、最初は手でかみ合いを確認しながら締め込んでいく。
同時にOリングの噛み込みに注意する。
うまく封止できないとオイルが噴き出てくる可能性がある。
手で締め込めなくなったら、トルクレンチを使い締め込んでいく。
設定は25N・m、工具の記載単位に注意すること。2.5kgf・mと記載のあるものもある。
まだトルクレンチを持っていない人はこの機会に買い揃えよう。
安全のためにも安い買い物だ。
トルクレンチで締めこんだら作業は完了だ。
ここまでの作業はものすごく簡単だ。最後に念のため確認作業は実施しよう。
最後に確認作業を実施する。
車内のナビシステムの「menu」ボタンから「車両情報」をクリックする。
「車両ステータス」をクリックする。
エンジンオイルレベルチェックをクリックしてしばらく待つ。
エンジンオイルレベルに問題がなければ作業完了だ。
車の基本はエンジンオイルの管理だ。
エンジンとミッションとフレームなどの大型システムが破損しなければ、大抵は走行可能なところまで復活できる。
本車を破棄する時は、飽きた時かエンジン、ミッション、フレーム、コンピューターのどれかが壊れた時だ。
大抵の車は「飽きた時」か「お金のかかる時」に破棄される。
今後もメンテナンス情報を記載していく、今回はここまで、それでまた。
まとめ
- オイル管理は重要なメンテンナンス
- オイルフィルターの交換は簡単作業
- 工具はフィルターレンチとトルクレンチ