悲報?ついに来た重整備の時 BMW E90 LCI 320i

いつかは必要な重整備

作業難易度  :★★★ (業者に頼んでしまおう)
事故時の危険度:★★★業者に頼んでしまおう
体感度    :★★★★(足回りリフレッシュとATF交換は最高)
作業時間目安 :約1~2週間
予算     :約800,000円(交換部品代、作業工賃)
メンテ周期  :5~10年(ゴムとプラスチックの劣化は不可避)

こんにちは、壊れやすいといわれる外国産車を実際に検証していた本ブログ。

今回はついに来た重整備について書いていく。

2010年の登録から14年、110000km走行した今年、ついにオイル漏れと冷却水漏れの症状に限界が来たのである。10年100000kmとはよく言ったものである。

確かにオイル漏れなんて標準装備だぜ、そんなの気にしてるのかよという声が聞こえてきそうだ。

さすがににじむくらいなら問題ないが、オイル交換周期(5000~10000km)を待たず、オイルを追加しなくてはならない事態は異常というほかない。即日走行不能とはならないが、そもそも危険だし、車検も通らないだろう。

そして冷却水漏れについては、より深刻である。冷却水の不足はそのままオーバーヒート、ピストン焼き付きによるエンジン破損、走行不能を意味する。冷却水レベル不足のアラームでクーラントを満タンにしてから4~5日で再度アラームという事態である。

しかしながら、この状況は相当に幸運であるといえる。なぜなら、構造上、そのような速度で冷却水が減っていくことは稀であると推測できるからだ。通常圧力の掛かった粘度の低い液体など、流路に穴が開けば一気に噴出して終了である。駐車場に避難する余裕があるだけでも幸運である。それにもかかわらず、自宅の駐車場まで帰れたのだから幸運というほかないのである。

おおよそ、高い位置か穴が極小かつ、広がらなかったのだろう。

何が起きたかを推測する

今回の症状としては、オイル漏れと冷却水漏れであるがいったい何が原因で起きているのかを考える。

当然どこからか漏れているのだが、基本的にはゴムや樹脂の劣化である。

特にゴムは驚くほど寿命が短い素材である。熱や薬剤、紫外線などといった環境に敏感であるためだ。通常の感覚ではゴムの寿命は約2~4年である。衣服などに使われるゴムを見ればそんな感覚であるかと思う。衣服のゴムと車用のゴムを一緒にするなよなという意見もあるだろう。しかしながら、命を載せているタイヤでさえ4年も経てばボロボロである。少なくとも硬化が始まって、購入当初の柔軟性や摩擦力といった性能は持ち合わせていないだろう。

対して、そんなしょっちゅう転がっているタイヤとも比べられないよという見方もある。しかし、冷却水ラインについては、100℃を超える液体が高圧でゴムホース内を循環している。オイルラインに至ってはより高い温度となっているだろう。そのためオイルラインは金属管であるところもあるだろう。そうはいってもジョイント部は間違いなくゴムが使われている。何なら高熱高圧となるエンジンヘッドカバーパッキンですらゴムパッキンであるのだ。ダメにならないほうがどうかしている。

それにも関わらず、明らかに長寿命である日本車のゴム樹脂素材には驚きを隠せない。私の見解ではこのゴムと樹脂の品質の差が日本車とドイツ車の品質イメージの差となっていて、それは法律や気候の差、設計の考え方の相違によるとみている。よって今回も、ゴム部品、樹脂部品の寿命が来たため、オイル漏れと冷却水漏れに至ったと推測。14年という時間を考えるととてもよく持ったほうだと思う。

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修理か乗り換えかを決める

原因の推測ができたので、どうやって対応しようかを決める。

候補としては業者依頼修理、DIY修理、中古車乗り換え、新車乗り換え、手放すの5択である。

今回、私の対応は修理(業者依頼)とした。参考比較表は下記。

対応案品 質コスト納 期その他総合
修理(業者依頼)43( 80万)4他壊れるかも11
修理(DIY)24( 40万)1対応可否不明7
乗り換え(中古車)32(150万)2要整備、検索7
乗り換え(新車)51(650万)1高額、在庫確認7
手放す15( 0万)5不便11

本ブログの感じからすると当然、自ら部品を取り寄せDIY修理することも考えた。しかしながら、特に冷却水ラインを考えると関連部品は全交換が前提、ホースのみ交換も考慮はできるが、もはやどこから漏れているか特定も難しい、そして部品交換はかなり時間と場所、工具を要するため、修理するのであればプロに依頼することを決めた。考えられるリスクは、今回整備しない致命的箇所の不具合が起こることである。そのため、今後5年乗ることができれば、今回の判断は間違っていなかったとする。

また、修理コストについて、中古車が買えそうなくらいは覚悟しなくてはならないので、当然中古車への乗り換えも十分に考慮した。しかし、さすがに乗り換え費用よりも修理費用のほうが安価である。さらに乗り換えたところで、中古車であれば別途、整備費用は必要になってくるだろう。ちなみに中古車で整備履歴が明確に示されることは稀である。そもそも不明な場合が多いし、わざわざ示している業者に出会ったことはない。私のようなものからすると整備記録は千金の価値があるので、ぜひとも開示してほしいものである。乗り換えしなければ、整備記録があるので安心できるのである。他にも、思ったより中古車市場が高騰していたこと、中古車選定の手間も選択しなかった理由の一つである。

新車への乗り換えについて、とても魅力的な選択肢ではある。しかしながら、導入コストは完全なる予算オーバーで、リセールバリューも最悪である。まさに高嶺の花といったところである。選択できる人がうらやましい。

さらに最も魅力的な選択肢として、「手放す」がある。実に現代的で論理的、理性的であり、リーズナブル、さらにリスクも少なく個人的にはこれが最も選択したいところではある。しかし、一度買い物や移動の安易さ、楽しさを知ってしまうと車を手放すことはかなり難しい。当たり前であるが、車は贅沢品であり、私にとって必要なものではない。しかし、魅力的でほしいものではある。身を切る思いでこの選択肢を破棄した。

にわかには信じられないかもしれないが、私はこの車(BMW 320i E90LCI 非直噴、非Mスポーツ)を最高のコスパを持った車であると考えている。

それについては別記事で紹介しているので割愛するが、今回はそれを再確認した次第である。

実に楽しい選択の時間であったが、業者へ修理依頼するため、見積を依頼することとした。

整備内容を決める

今回見積してもらった整備内容は下記である。

整備内容予算
オイル漏れ修理(パッキン交換)6万
冷却水漏れ修理(冷却ライン一式)35万
ダンパー交換、アライメント調整16万
ATFオイル、デフオイル交換9万
Fブレーキホース、ディスク、パッド、フルード交換7万
実に絶妙な価格である。通常はこの内容であれば買い替えを検討するだろう。

なぜなら、同型であれば中古市場でそれなりのもの(走行距離6万km程度)を購入できるからだ。

もしも、今乗っているものをスペアで保管することが可能であれば、それも選択肢にはなったかもしれないが、年式を考慮すると結局ほぼ変わらない内容の整備が必要になる可能性が高い。そのため次モデルのF型で検討をすると120万円程度の予算は必要になってくるといった具合だ。

見積時の点検で検出された不具合箇所は以下

  • ヘッドカバーオイル漏れ
  • オイルフィルターハウジングオイル漏れ
  • VANOSソレノイドバルブオイル漏れ
  • ラジエターヒビ冷却水漏れ
  • 後輪ダンパーオイル漏れ
  • ブレーキホースヒビ
  • ブレーキパッド、ディスク摩耗

自分でできそうだったのは、オイル漏れ修理くらいだろうか。

特に頼んでよかったと思ったところはラジエターの破損とブレーキホースのヒビである。

どちらも自ら発見することは困難であったと推測する。

特にラジエター本体の両サイドのチャンバー(水溜)にプラスチック部品が使用されており、そこの中央のひび割れから漏水しているなど想像もつかなかった。

ラジエター本体は金属で、火傷防止のための樹脂カバーかと思っていたからだ。

まさかの金属と樹脂の一体品が使われているとは思わなかったのだ。

ここについては、原価低減と思われるが、樹脂平面中央から割れているとは、やはり14年の歳月とは恐ろしいものである。もし、DIYでホース交換をしていたら、漏水が止まらず嵌まっていたことであろう。

重整備を終えてレビュー

今回の重整備のメインであるオイル漏れ、冷却水漏れは直接走行性能に影響するものでないため、体感は難しいが、故障を修理したという安心感は何物にも代えがたい。そして、やはり足回りとATFの交換は効果てきめんで、劇的に快適性が復活したといっていい。正直ゴツゴツとした突き上げ感はあるものの、高速走行時の安定性は確かなもので交換前と比べて疲労が激減した。気づかないうちに揺れている車に疲労を感じていたということであろう。発進からシフトチェンジもスムーズで気持ちよく加速していく、心なしか燃費も特に高速走行時は向上したように感じられる。

国産車でここまでの重整備はしたことがないので比較はできないが、同様の整備を検討している方の参考になれば幸いである。

今回はここまでとするそれではまた。

まとめ

  • いつかは必要な重整備
  • 買い替えか修理かの選択を迫られる
  • やはり修理のほうが一時的な出費は抑えられる
  • 経験の浅い素人には限界があるので、無理なところはプロに任せる
  • やっぱり足回りとミッションは大事

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