ヘッドライトは黄ばむよいつまでも
作業難易度 :★ (面倒だが容易)
事故時の危険度:★ (特になし)
体感度 :★★★★★(いつも見るところなので気持ちいい)
作業時間目安 :約90分
予算 :約6,000円(ケミカル代、10回分は余裕)
メンテ周期 :0~1年 (曇ったら実施)
注意点 :再コーティングは難しい
こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。
今回は、長く車に乗ったことのある人なら誰しもが直面する問題について書いてみる。
そう、ヘッドライトの劣化、黄ばみである。
購入後10年も経てば、写真のような状態になっている車も多いのではだろうか。
特にヘッドライトが天面を向いた車はより顕著である。
せっかく、ボディがピカピカでもヘッドライトがくすんでいたら気分も下がってしまう。
ほっておいても、改善するどころか、そのくすみは悪化の一途をたどっていく。
「ヘッドライト復活」なるケミカルも多くあるが、我慢できないくらいの黄ばみ状態では、ほとんど効果は感じられなかったのではないだろうか。
そんな、ヘッドライトの黄ばみの最も安易な解決方法はヘッドライトの交換である。
しかし、車種にもよるが片側10万円越えも珍しくはない状況を考えると二の足を踏んでしまう状況である。
程度のいい中古部品を買ったところで待ち受ける運命は一緒である。
もうどうしていいかわからない、そうして曇りきったヘッドライトのままの車を多く見かける。
そこで、本記事では原因とメカニズムを確認して、対処していく。
結論として、黄ばんだヘッドライトの対処方法は、研磨あるのみである。
ヘッドライト劣化の原因は紫外線
ヘッドライト劣化の原因もはっきりしている。太陽光に含まれる紫外線による劣化現象である。
通常ヘッドライトには新車時にハードコート(紫外線吸収)が施されている。
ハードコートが紫外線で劣化し、クラックが入り、そこに汚れが蓄積すると曇って見える。
では、なぜハードコートが必要なのか。
ヘッドライト本体は、耐衝撃、形状自由度を実現するためポリカーボネートが使われている。
このポリカーボネートというプラスチック、実は薬品と紫外線に極めて弱く、硬度もガラスに劣る。
そのままではあっという間に傷がつき、紫外線で劣化し黄ばんでしまう。
ヘッドライト本体の劣化を防ぐためにハードコートをポリカーボネート表面に施しているのだ。
つまりは、根本的な予防策はヘッドライトに直射日光が当たらないようにすればよい。
そこで、以下に紫外線を防ぐ具体的な方法を考えてみた。
- 車庫に入れる コスト★★★★★
- カーポートを設置 コスト★★★★
- カバーをかける コスト★
- 紫外線コーティング コスト★
以上である。ちなみに対策効果はコストに比例するといっていい。
一つずつ見ていこう。
車庫に入れる
「できたら苦労はない」そんな声が聞こえてきそうである。
そもそも、できていないから、ヘッドライトは黄ばんでいるのだ。
あと、気を付けることは南向きや西向きの直射日光を入れないことくらいだろう。
なんだそれだけかといえる方は、絶大な効果があるので、ぜひともチャレンジしてみてほしい。
カーポートを設置
こちらもほぼ車庫と同義であるが、できたら苦労はないが、車庫よりは安価なはずだ。
設置位置と大きさを間違えなければ問題はない。
設置に車と大差ない価格と場所が必要になることが最大のネックである。
また、台風、積雪などには比較的弱い傾向にある。
カバーをかける
このあたりからだいぶ現実的になる。
問題点としてはとにかくめんどくさいこと。
発車と駐車のたびにカバーを着脱しなければならず。
外したカバーの置き場所が必要である
さらには風が吹いてカバーがバタつくとボディが傷つくという本末転倒な結果になる。
紫外線コーティング
最後がヘッドライトに紫外線コーティングを実施することだ。
しかしこれも残念なお知らせであるが、数週間~1か月ごとに施工し続けなければならない。
そしてさらに言えば、新車時にはヘッドライトに紫外線コーティング(ハードコート)済みである。
結論としてはどうしようもない
身もふたもない結論だが、屋根付きの車庫の準備が難しい上に、その自由度も低い私のようなものにとって、ヘッドライトが黄ばんだら磨く以外の方法はない。
他にも再コーティングやウレタンクリア塗装作戦があるようだが、どちらもハードルが高い。
そのため、今回はハードコート部を研磨、ケミカルコーティングこまめに繰り返すこととした。
この作業を施したところで、いつかはヘッドライトは曇るという結論は変わらないが、一時的に見た目を回復させ、これ以上の劣化を遅らせることはできる。
ヘッドライトハードコート研磨
無駄な抵抗ではあるがまずは一時的な回復を図る。
ハードコートとはいえ劣化していることと所詮はコーティングなので、紙やすりで削り取ることが可能だ。
ガラスほどの硬度はない。
紙やすりで研磨するにあたり、ボディに傷がつかないようマスキングテープなどで簡単に養生しておく。
オレはスーパーコントロールで磨くからいらないぜ、という方もいるかもしれないが、めんどくさがらずやったほうがいい。
ほぼ確実にやすりが接触する。
本事例では、ヘッドライトサイドと上半分が劣化して曇っているので、このあたりを重点的に研磨していく。
まずは、耐水ペーパーの400番あたりで水研ぎしていく。
400番だと、ぼりぼり削れてくれるので、削りカスが黄色から白っぽくなったらだいたい大丈夫だろう。
特に削りすぎる必要もない。あわよくばうっすらハードコートが残っていてほしいと思うくらいだ。
市販のヘッドライト復活系のケミカルで軽く拭くだけで黄ばみが取れないのは、研磨に使う粒子が細かすぎるためである。
大抵は2000番とか4000番程度のコンパウンド入りワックスであることが多いだろう。
元々施されているハードコートをすべて削り取らないよう配慮していると思われる。
しかし、今回はそんなものでこすっても埒が明かないので、400番でぼりぼりいってしまう。
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続いて1000番あたりで水研ぎを行う。
400番である程度そろっているので簡単に面がそろうだろう。
ちなみに400番で消えていない傷は1000番で消えることはない。
当たり前だが1000番の粒子は、400番の粒子よりも細かいからだ。
さらに1500番で磨いていく。まだまだ真っ白で不安になるかもしれないが、心を強く持って削り続けよう。
うっすらと透明感が出ては来ている。
続いて2000番で磨いてみる。この辺の番手の選択はざっくりでも問題ない。プラスチックであるためそれほど神経質にならなくてもよいだろう。
4000番で研磨した状態、かなり透明になって勇気が湧いてくる。
このあたりから水研ぎヤスリからコンパウンドに切り替えていく。
ピカールやらKURE LOOXなどのコンパウンドで磨いていく。
ここまでくれば、クリア感がかなり出てきたので気持ちいい。
やってよかったと思えた瞬間である。
ポリカーボネートは薬品に弱いため、ピカールなど薬品類は残さないほうが良い。
また、LOOXにもワックスが含まれているため、脱脂しておこう。
脱脂剤もプラスチックを侵さないものが良いだろう。
今回はパーツクリーナープラスチックセーフを使用した。
この後のコーティング剤のノリもよくなるだろう。
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ガラス系コーティング剤で仕上げ
ほとんどわからないがGLASIASを塗布している。
一応ガラス系コーティング剤で紫外線カットを主張している製品である。
しかし、カー用品類は眉唾グッズが多くあるので、半信半疑くらいでちょうどいいだろう。
まずは、黄ばみも曇りもあらかた取れたので、結果としては満足いくものであった。
あとはこまめにコーティング剤を塗布していくことになるだろう。
多くの人が悩んでいる現象かと思うので、対策の一つとして参考になれば幸いである。
本記事が楽しいBMWライフの参考になれば幸いである。
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まとめ
- ヘッドライト黄ばみの原因は紫外線
- 黄ばんでいるのはハードコートかポリカーボネート
- 根本的には紫外線をヘッドライトに当てないこと
- 車庫以外で実質的に黄ばみ対策不可
- 黄ばんだものを研磨して一時的に復活できる
- 代わりのコーティング剤を塗布しておく
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