加水分解したドアハンドルカバー
作業難易度 :★ (容易)
事故時の危険度:★ (特になし)
体感度 :★★★★★(いつも触るところなので気持ちいい)
作業時間目安 :約10分
予算 :約2,000円(交換部品代)
メンテ周期 :5~10年(べたついたら交換)
注意点 :早めの交換ががよい
今日も元気にメンテナンスしていこう。
今回はドアハンドルの交換だ。
純正のドアハンドルではあるが、樹脂ゴム部分がベタベタになって気持ち悪くなる。
これは樹脂ゴムが湿気を含んだ結果、加水分解してしまった現象である。
基本的に車内は乾燥しているため、問題ないはずだが、日本はドイツなどと比較して高温、多湿のためこのような現象が起こる。
他にもゴムや樹脂部品の耐久性は明らかに日本車に劣る。
これは品質の問題というよりは、前述したように気候の違いが大きいといえる。
これらが「外車は故障が多い」といわれる要因の一つであると推測している。
今回の手前側のハンドルカバーについていえば、作業はとても容易なので、部品を入手次第作業しよう。
ドア内張りに固定されている奥側のハンドルはややめんどくさいが、交換する価値は十分にある。
ベタベタに分解したハンドルカバーの取り外し
内張の外し方はいつも通り、銀色の化粧板から外していく。
写真はドアの端側から外しているが、ドアヒンジ側から外したほうがうまくいく。
特に固定ネジはないので、内張はがしでこじれば、「バリッ」とはがすことができる。
このメンテナンス性の良さと部品の調達性の良さが、BMWの最大の魅力であると思っている。
化粧板が外れた状態。
これでハンドルカバーを外すことができる。
ハンドルカバーもはめ込まれているだけなので、下側から内張はがしでこじると外せる。
ハンドルカバーが外れた状態。
ちなみに、ハンドル本体を外すには内張を外してその裏から固定部を削り取ることで外せる。
本車両は、すでに社外品に交換してある。
こちらも加水分解してベタベタになり気持ち悪いので、溶けたら早めに交換してしまおう。
取り外したハンドルカバー。
さすがに純正品なので、高品質であることが伝わってくる。
これは2色成形という方法を使用していると推測する。
硬いプラスチックの上から、柔らかいゴムのようなプラスチックを再成型する方法だ。
この柔かいゴムプラスチック(エラストマー)が加水分解しやすい部分となる。
手触りや高級感を出しつつ、原価低減するための手法の一つである。
いっそのこと、硬いプラスチックのみか本革貼張りにしてしまえば加水分解は起きないといえる。
気を付けたいのは、合成皮革も表面に樹脂を吹き付けしており、加水分解してボロボロとはがれ始める。
耐環境についての対策は、かなりハードルが高いのが現実である。
それを考えると日本車の部品の品質は、実に驚くべきものであるといえる。
交換部品を準備する
日本車部品の品質を称賛した後ではあるが、BMWにはBMWのいいところがある。
それが部品の流通の多さだ。
こんな専用部品であっても、社外品で安価にかつ容易に手に入れることができる。
カーディーラーに行かなくても世界中からワンクリックで配送されてくる。
今回の部品は中国製のようだが、特に大きな問題は感じない。
強いて言えば、純正と比較するとその品質は低いものである。
耐久性も純正ほどあるとは思えないが、加水分解した純正品よりはずっといい。
最大の懸念点があるとすれば、取り付けに不具合がないかということだけである。
手触りはサラサラとザラザラの間くらいだ。
交換部品を取り付ける
心配をよそに部品を押し込むと問題なく嵌まった。
取り付け感覚はやや硬めではあったが、取り付けはできた。
特に不具合はなさそうである。
ちなみに外観がムラになっているのは部品のせいではなく、私の手の汚れがついてしまったためだ。
しかも、加水分解したベタベタの油である。
なんと拭いても簡単には取れなかったので、加水分解したベタベタが手についたらよく落としてから作業しよう。
最後に銀色の化粧板を圧入して作業は完了だ。
作業そのものは簡単であるが、その効果は大きいのでおすすめのメンテナンスである。
今回はここまでとする。
本記事が楽しいBMWライフの参考になれば幸いである。
今後ともメンテナンス情報を書いていくのでよろしく。
まとめ
- 遅かれ早かれ加水分解する
- 加水分解したハンドルは交換
- 毎回触れるところなので、影響度は大きい