頑張りすぎないで革靴を磨く

5回履いたら1回でいいから革靴を磨く

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。

今回は、靴磨きについて書いていく。

実はこの靴磨きの世界は、単純であるはずなのに実に奥が深い。

ちょっと検索するだけでも、多くの資料が見つかることだろう。

しかも、結構バラバラのことが書いてあったりもするので、確実な正解を導くことは難しい。

私が見たのは、自分顔が映り込むくらいピカピカに磨く方法だったり、食事会の途中で靴を磨く集まりだったり、にわかには信じられないものだ。

さらにはシャンパンで磨くだのウィスキーで磨くなどあるが、ちょっと常軌を逸しているのではないかと思う。

酒好きの私としては、魂を込めて作られた酒を靴磨きに使うなどもったいなくてできない。

そのため、本記事においてもコンセプトを明確にして紹介していきたいと思う。

私の場合は、通常の靴のメンテナンスグッズを使用してやっていく。

靴を磨くことに必要以上のコストをかけている暇はない。

さて、皆さんは靴を磨くというとどんなイメージだろうか。

  1. 毎回磨くのは面倒くさい
  2. 靴を磨くのは大変
  3. 忙しいので磨いてる暇がない
  4. 磨かなくてもいいじゃないか
  5. 靴なんて誰も見てない

こんなところだろうか、私もそう思っている。

基本的にめんどくさがりなので、靴なんか気合入れて磨いていられないというのが本音である。

まあ、靴を履くなんて毎日のことで、特に深く考えないことだから、無理もない。

そこで、本ブログでは「基本は抑えつつも完璧は目指さない」をモットーとしてやっていく。

靴磨きはめんどくさい、そんな人こそ気分転換に靴でも磨いてみよう。

  1. 5回履いたら1回くらいのペースで磨く
  2. 続けることが大事なので、できる限り簡単に磨く
  3. 磨かれている靴を履くのは気持ちいい
  4. 靴を磨いている人は、他人の靴も見ている
  5. ちゃんとした靴は磨くのも楽しい

前回までの投稿で革靴の選び方について書いた。

そんな情熱を持って選んだ靴なら磨くのだって楽しくなるはずだ。

それが、気持ちよく靴を履く一番大きなコツでもある

では早速、手を抜いて続けられる靴の磨き方について書く。

シューツリーを入れて準備する

まずはこれがなくては始まらない。

靴を履かないときはシューツリーを入れておくくらいの気持ちでちょうどいい。

シューツリーを入れるのがめんどくさい人は、さすがに革靴でなくともよいかと思う。

紐を結びなおして革靴を履くほうがよほどめんどくさいからだ。

シューツリーの基本機能は靴の形状を美しく保つことである。

一日履いた靴は足指の付け根あたりで折れ曲がりつま先が浮いたような形状となる。

これを伸ばして、靴の型崩れを防ぐ役割がある。

そのため、シューツリーは特に木でなくてもよい。

プラスチック製のものなら1,000~2,000円ほどで手に入るだろう。

木製のシューツリーであっても安価なものなら3,000~5,000円程度で手に入るだろう。

靴に対して高いような気もするが、一度買えば壊れることはほぼないので、3つくらいはあってもいいと思う。

ちなみにシューツリーは予算が許すならレッドシダーなどの木製が良いと思う。

木は調湿機能を持ち、革の水分を適正に保ってくれる。

また消臭効果もあるので、長期的に見ると靴が清潔に保てる。

消臭効果が薄れてきたなと思ったら表面を磨けば香りが出てくるだろう。

ちなみに表面がニス塗してあるものは、木製シューツリーの良さをすべて殺しているようなものなのでお勧めしない。

木製のデメリットは中身が詰まっているため、通気性がよくないというところなので、ニス塗りのものならプラスチック製のほうがむしろ良い。

シューツリーを入れるというところが、最初のメンテンナンスであり、最低ラインといえる。

靴を磨く時もシューツリーを入れた状態で行う。

すでにシューツリーを使う習慣のついた人は、下駄箱に入れる時にシューツリーは入っているだろうから、下駄箱から靴を出すだけだ。

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ブラッシングで埃を払う

こだわってやれば、いくらでも大変になる靴磨きだが、最も大事なのは続けることである。

気合を入れて靴を磨き、常に100%の状態をキープできるならそれで良い。

しかし、私のような面倒くさがりは、まず続かない。

そのため、持っている靴をおおよそ70%ぐらいの状態で常にキープするようにしている。

よって、よほど汚れがひどくない限り、靴紐は外さずにやるし、シュークリーナーのようなものも使用しない。

特に汚れがひどい場合は、靴紐を外しシュークリーナーで汚れと脂を落とすことになる。

ここでは軽くブラッシングして、全体的に埃や汚れを落とす。

このくらいは、家に帰ってきたら毎回行っても続けていけるくらいかと思う。

まあ、疲れているときは次の日でもいいし、気の向いた時だけでもやるようにすれば、やらないよりはだいぶいい。

とにかく、自分が継続できるポイントとスタイルを模索していけばよい。

私の場合は、モチベーションを維持するために、お気に入りのブラシを使うことにしている。

お気に入りのブラシであれば、靴のメンテナンスも楽しくなるというものだ。

たかがブラシ、されどブラシ、ブラシに始まりブラシに終わる。

大げさかもしれないが、そんな呪文を唱えながら靴を磨いている。

靴のメンテナンスで必ずつかうものだからこそ、好きなものを使う。

ブラッシングの最中に各部の傷みや摩耗を確認できることも多々ある。

シュークリームを少量塗り込む

ブラッシングで埃を払ったら、ここも少量でいいので、シュークリームを専用のブラシで塗り込んで行く。

このブラシに特にこだわりはないが、シュークリームの瓶が小さいのと靴によって色が違うのとで使い分けている。

シュークリームの目的としては、水分の補給とロウによる艶出し、色による補色である。

シュークリームの色選びの基本は、黒以外は靴の色と同系色のより薄い色を使うことだ。

この靴は特に色落ちをしていないので、無色のシュークリームを使用している。

これはアニリンクリームといって、水分が多めでロウが少なめの配合のものである。

デリケートな革にも使用できるので、革製品全般に使用している。

個人的見解であるが、革製品の中で最もデリケートかつ強度を求められるのが靴である。

革製品というとバックやジャケットなどをイメージすることが多いが、靴が最も難しいと思っている。

多ければ1日1万回以上も屈曲されて、擦れて、踏みつけられる。

それでいて、人間の足を柔かく包み込んで守らなければならない。

さらには見栄えも求められる。そのくせに、徹底して引き立て役に回り、決して主役になれない。

こんなにも涙ぐましい立ち位置の靴に感謝せずにはいられない。

しっかりと作られた革靴であれば、5万円程度なら、まさにバーゲン価格といっていいだろう。

謎のブランドバックに何十万も出している場合ではない。


[コロニル] 保護・栄養クリーム アニリンクリーム 50ml CN044050 Colorless 50ml

話はそれたが、メンテナンスに話を戻す。

つま先と踵を中心にシュークリームを塗り込んでいく。

靴底と甲革の隙間も埃がたまりやすいのでブラッシングする。

特にひどい汚れでもないかぎり、この程度で汚れは落ちてしまう。

小さな傷についても目立たなくなる。

いい感じにブラッシングできたで、数分おいておく。

具体的には、この間にもう一足を同様に処置しておこう。

その間にわずかに水分を含み、しっとりとしてくるはずだ。

特にべったりと塗る必要はない。あれ?これでついてるのかな?くらいでちょうどいいだろう。

このあたりくらいから無心になり、心が整っていくのを感じる(時もある)。


[エム・モゥブレィ] ブラシ ペネトレィトブラシ 7012 豚毛(白)-2 2個セット

仕上げのブラッシングでフィニッシュ

最後にブラシで余分なシュークリームを払っていく。

ここも特に肩の力を抜いて、ブラッシングしていこう。

使用するシュークリームの種類と革の品質によるが、これだけで十分な光沢が出てくる。

特にこれ以上する必要はないが余力があれば、布で拭き上げてもよい。

お気に入りの靴が光沢を取り戻す、なんとも気持ちの良い瞬間である。

ついでに家族の分も磨いてやれば、大変喜ばれるだろう。

まあ、続けられるほうを選択しよう。

何度も書くが、何事も継続が力である。


[コロニル] 馬毛ブラシ 17cmx5.4cmx4.5cm CN044042 Black F

しっとりとツヤが出ていい感じになる。

靴磨きのコツは光らせすぎないことだ。つま先と踵はツヤ強めで問題ない。

自分の顔が映り込むくらいキラキラの鏡面仕上げにすることも可能だが、今回は実施しない。

鏡面仕上げにすると手間がかかる上に、傷や汚れが付くと気になってしょうがないからだ。

以前に鏡面仕上げにした靴のつま先を出先の玄関で踏まれて、ひび割られた経験がある。

日本の脱ぎ履きの多い文化と靴に対する意識の低さに愕然とした。

その時のショックは大きく、そんなことに心を取られている状態を無駄だと思ったからだ。

最初からそこまで、磨きこむ必要すらないのだから。

蛇足だが、いつも通り靴を磨いてみたが、靴がしゃきっとしないなあと思う時がいつかくるはずだ。

そんな時は、靴紐が擦り切れているときがある。

毎日見ているものほど、その劣化具合には気づきにくいものである。

靴紐を新しいものに変えてみると見違えるほど綺麗にシャキっとなるはずだ。

靴紐を購入する際は、長さを確認して購入しよう。

しかしながら、不思議なほど高品質な靴紐を見つけることは難しいことに気づくだろう。

ある程度の靴に付属してくる靴紐とその辺に売っている靴紐とでは品質が異なるようである。

まあ、これはゆっくり探していこうとは思うが、スコッチグレインの靴紐はお気に入りである。

靴磨きのコツとしては、つま先とかかとである。

つま先は、ズボンの裾で隠れることはなく、大抵は顔と同じ方向を向いている。

そのため、つま先は靴の顔といわれ、ここさえ綺麗にしていれば、大抵は「靴を綺麗にしている」と印象付けることができる。

また、履いている時はあまり目立たないが、靴を下駄箱に入れる時に人目に触れる可能性のあるのは踵である。

こちらもつま先同様に綺麗にしておこう。見る人は見ている。

どうだろうか、長々と靴磨きについて書いてきたが何のことはない、ものの10分もあれば終わってしまう。

毎日、毎回とは言わない、気の向いた時、やる気のある時に磨いてやろう。

今回の作業は汚れを落として、水分を足して、ロウでツヤを出す作業であった。

つまり、靴を履くことも水分を足し、空気を循環させる靴のメンテナンスの一つである。

最近履いてないなあと思う靴があれば、履いてやろう。

個人的には、3~5足をローテーションして履くくらいでちょうどいいと思っている。

1足のみを履き続けて、靴底が減ったら2足目といった履き方はあまりお勧めできない。

スーツなどと同じように、毎日の使用は摩耗と劣化を加速させていく。

ローテーションとメンテナンスをして、お気に入りの靴を長く大事に履いていこう。

今回はここまでとする。

今後とも靴について情報を書いていく予定である。

何かの参考にしてもらえたなら、うれしい、それではまた。

まとめ

  1. メンテナンスは継続できることが大事
  2. 完璧を目指さない、ツヤを出しすぎない
  3. つま先と踵を中心にツヤ出しを実施する
  4. 靴を履くこともメンテナンス
  5. 3~5足をローテーションして履こう