革靴のソール素材は革にするかゴムにするか

靴底(ソール)の素材の種類について

こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう!

今回は靴底(ソール)の素材について書いていく。

一体何を言っているのだろう、靴底の素材って、普通ゴムじゃないのかという方もいるかと思う。確かに、一般的に靴底の素材はゴムであり、その他の素材が使われていることは稀である。

靴底の素材にゴム以外を用いる合理的な理由がほとんどないため、多くの靴において靴底の素材はゴム(ゴムソール)である。

ひとくくりにゴムといっても様々な種類があるのだが、大抵は靴の用途によって適切に選定されている。

山岳に使われるような耐久性が必要な靴には、硬く丈夫な素材のゴムが使われている。

ランニングシューズのようなスポーツ用途の靴にはクッション性の良いスポンジのような軽いゴムが使用されている。

そして、革靴においては、もう一つの靴底の主な素材として革(レザーソール)がある。

そうはいっても現在では、レザーソールを用いているのは、高品質なドレスシューズの一部に使用されているのみであり、見たことがない人もいるのではないだろうか。

ただし、稀に単にレザーソールであるだけの品質が伴わない革靴も存在するので、選ぶ際は注意が必要だ。

そんな革素材の靴底を積極的に選ぶ場合にゴム素材との相違点を記載しておくので、参考にしていただければ幸いである。

結局レザーソールってどうなのよ?

結論としては、ゴムソール全盛の現在において、わざわざレザーソールを選ぶ必要性はないといえる。

ゴムソールと比較してレザーソールの短所は以下の通り。

  1. 靴底のすり減りが早い
  2. 水を吸う
  3. 濡れると滑る
  4. すり減ったところがなんか汚い

まったくもって、ソール本来の機能が十分に果たせていないようにすら思う。

そのため、レザーソールは現在の主流にはなりえていない。

しかし、メリットがあるからこそ、ドレスシューズの基本は革底となっている。その長所をあげてみよう。

  1. 通気性良い
  2. 靴底の反りがよくフィット感がある
  3. 軽い
  4. 比較的高品質な靴が多い
  5. レザーソールという熱き想いを持てる

まあ、こんなところだろう。

短所と長所は大抵の場合は表裏一体かトレードオフなので、両立することは難しい。

これを見てなお、「レザーソールこそがオレの求めていた靴だ」と思える人が選べばよいと思っている。

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なぜ、レザーソールの靴は少ないのか

いうまでもなく、上記以外の長所を除き、レザーソールはゴムソールに太刀打ちできないからに他ならない。

つまりはめんどくさいのだ。レザーソールの長所を見て、欲しいと思う人は少数派なのではないかと思う。

中でも実用品である靴において、靴底のすり減りが早いという短所は致命的である。

どんなに硬い革をソールに使用しようとも所詮ゴムの耐久性にはかなわない。

特にウレタンゴムソールは、歩いた時の靴底の反りこそ硬いが、その耐久性は驚くべきものである。

リーガルなどでよく待ちいられるガラスレザーとの組み合わせは圧倒的な耐久力で、まるで戦車のような靴だ。

ウレタンゴムソールの耐久性が高すぎて、先にアッパー(甲部分)のレザーが破損するほどだ。つまりゴムソールは、基本的に交換の必要がない。

見方によっては、ゴムソールが硬すぎて、アッパー部分のレザーに負担を強いているともとれる。

そのため、結果的にゴムソールの靴は使い捨てになってしまう可能性が高い。

さらに、レザーソールは水を吸ってしまうという明確かつ最大の弱点がある。

裏を返せば、蒸れにくいということなのだが、雨の多い日本ではこれまた致命的である。

水たまりを踏まなかったとしても雨の日にレザーソールの靴で濡れたアスファルトを歩くだけで水が染みて、靴下が濡れることになるだろう。そんな靴は、靴の機能を果たしているかすら疑わしくなる。

そして濡れたレザーソールはバナナの皮と同じくらい滑りやすく、耐久性もバナナの皮と同じくらいになる。

要するに水を吸ってふやけるのだ。そのため、レザーソールの靴を履いて意気揚々と出かけても突然の雨が来れば気分は台無しになる人もいるだろう。

他にも打ち水をする人もいれば、駅のトイレなど水以外も染みてくるのではないかと思ってしまう。

神経質や潔癖症の人はもちろんのこと、すり減ったソールを張り替えるのがめんどくさい人にもレザーソールは向かない。

心と財布と時間に余裕があり、徒歩の移動距離が少ない人くらいしかレザーソールを履き続けることはできないだろう。

上記より、個人的見解として、総合的に見てレザーソールの靴を選ぶ理由はほぼない。

迷ったらゴムソールを買うことで、失敗することはないだろう。

ゴムソールには多くの現代人に選ばれるだけの品質と実績があるということである。

革底の靴を買うただ一つの理由

先述した通り、確かにレザーソールの靴を選ぶ理由は皆無に等しいといえる。

しかしながら、ある日、ウレタンソールにガラスレザーという戦車のように頑丈な靴にやや疑問を持った時があった。

なんかそっけないのだ。何がと言われると困るが、足裏と靴底がバラバラになっているようなイメージだ。

それは、靴底の反りが固いことが大きな要因であると推測する。対して、レザーソールの靴は、ソールの返りがよく、足裏に吸い付くような感覚だ。

特にソールが薄いシングルソールのマッケイ製法の靴は気持ちが良いほどの追従感である。正にレザーソールの醍醐味を味わえる組み合わせだ。

そして、高品質なドレスシューズは高確率でレザーソール仕様なのだ。

ドレスシューズの基本がレザーソールであるせいもあるが、ある程度の基本を押えている靴は、必然的にレザーソール仕様となる。

私の最適解は、レザーソールの高品質な靴を購入し、ソールがすり減ったら、薄く頑丈なゴム底に張り替える。

すると、高品質な靴ながら、ある程度の強度を持った靴となる。

あとは、足汗が多くて困っている人はレザーソールを試してみるといいだろう。

やはり履いていて気持ちいいのは、圧倒的にレザーソールである。

「履いていて気持ちいい」これだけは、いかにゴムソールが進化しようとも、材質の特性上超えられないものであるといえる。

ゴムソールに穴をあけて通気性を確保するという靴底もいくつか存在するが、所詮はゴムである。吸水性があり、穴だらけのレザーソールとは比べようもない。ひどいものについては、せっかくのゴムソールの通気穴から水が染みてくるだろう。

レザーソールを履いたことがない人は、ぜひ一度は試してみてほしい。靴好きならば、下駄箱に1足はあってもいいかと思う

新しい革靴の魅力に気づけるかもしれない。万が一レザーソールが性に合わなければ、すぐにでもゴムソールに張り替えることもできる。

本当に靴底を貼り付けるだけなら、そう費用もかからず対応してくれるだろう。

今回はここまでとする。本記事がステキなシューズライフの一助となれば幸いである。

それではまた。

まとめ

  • 機能性はゴムソールが圧倒的に優れている
  • レザーソールは面倒くさい
  • レザーソールはゴムソールに変更可能
  • レザーソールは履いていて気持ちいいことが長所