すごく不便なフィルムカメラの魅力

フィルムカメラって何?

こんにちは、今回はフィルムカメラの魅力について書いていく。

今やカメラといえばデジタルカメラを指す。

私もフィルムカメラを使ったことはあるが、高校生活も終わりに近づいた頃は、携帯電話にデジタルカメラが付いていたと記憶している。

さらにフィルムカメラと言っても「写るんです」のことであるので、正確には「レンズ付きフィルム」である。

フィルムカメラの一眼レフなど使ったことがなかった

平成生まれ以降からその認識が怪しくなっていく「フィルムカメラって何?」という人がいてもおかしくない。

事実、ニコンのFMという機械式フィルムカメラをさして、「そのカメラ、画質は良いですか?」聞かれたことがある。

質問自体も漠然としているが、フィルムに対して「画質」という単語は使わない。

そして、その性能がカメラ本体に依存していると勘違いしている。

確かにコンパクトカメラや携帯カメラしか使ったことがなければ当然の感覚である。

フィルムカメラはとにかく不便

フィルムカメラはデジタルカメラと比較して圧倒的に不便だ。

それは今やほぼすべてのプロカメラマンがデジタルカメラを使用していることからも明らかだ。

初めて機械式フィルムカメラを使った時に、使い方がわからなかったのを覚えている。

そもそもフィルムの入れ方すらわからなかった。

フィルムカメラの不便ポイントはとして、まずはその撮影枚数だ。

フィルムは通常多いもので36枚撮りである。

プロ用に特殊なものもあるが、一般用ではその程度だ。

連射装置を用いて1枚/秒で撮れば、わずか36秒でフィルム入れ替えが必要である。

1000枚以上撮影できるデジタルカメラからすればなんの間違いかと思うくらいだ。

さらにフィルムは高額だ。安いものでも1本数百円はする。

フィルム一本分の現像費用と併せれば、SDカードが買えてしまうだろう。

そして撮り終われば、フィルムの現像とプリントが必要。データは存在せず、現像したフィルムを現物で保存する。

「いやいや、写真の画像が違うんだよ。アナログだからね」

そういう意見もデジタルカメラ普及し始めの頃はよく言われていた。

しかし、それはデジタルカメラがせいぜい60万画素程度の時の話だ。

この時は誰もデジタルカメラがフィルムカメラを超えられるとは思っていなかった。

当然プロもフィルムカメラを使っていた。

そんな風潮もデジタルカメラが500万画素を超えたあたりから一変した。

今やデジタルカメラの方が精細に映ることは疑いようのない事実だ。

連射性能も良いものでは10枚/秒以上、メモリーカードの記憶容量の増大は余裕で1000枚以上の記録を可能にした。

現像もカメラ内で処理され、無線通信を使って数秒で転送できる。

この性能が今や携帯電話内に収められているほどである。

「いやいや、デジタルデータは消えてしまうからね、フィルムは消えないよ。何十年も残るからね」という意見も言われている。

しかし、デジタルデータが消える可能性よりもフィルムを紛失したり、カビたり、汚れたりする可能性の方が圧倒的に大きい。

一般的なサーバーであればバックアップを取ってあるので、データが消える可能性は低いし、コピー、整理も容易である。

性能、価格、時間、手間どれを取ってもフィルムカメラはデジタルカメラよりも見劣りする。

フィルムカメラを選ぶ合理的理由は、ほぼ存在しない。

  • フィルムカメラは不便
  • フィルムは36枚撮り
  • フィルムは1本200〜1,000円程度
  • フィルムは現像とプリントが必要
  • フィルムは現物で保存

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デジタルカメラにはないフィルムカメラの魅力

確かにフィルムカメラは不便であるが、デジタルカメラにはない魅力を多く備えている。

だからこそ現在でもフィルムが販売されているのだ。

プロの場面で使用することはほぼないが、趣味の世界では大いにその存在価値はある。

初めて、一眼レフフィルムカメラを手に入れて、四苦八苦しながら、フィルムをセッティングした。

ワクワクしながら散歩に出かけ、被写体を見つけると重い金属筐体を構え、ピントリングをまわし狙いを定める。

ピントリングの感覚もオートフォーカスが当然のデジタルカメラでは味わえない。

あとはシャッターを押すだけ、、、、なのだが、指が震える。こんな感覚は初めてだった。

取り直しが効かないというプレッシャーがデジタルほど簡単にシャッターを押させないのだ。

トータルコストで、1シャッター50〜100円程度である。

やっとでシャッターを押し切るとカシャンという聞きなれない音でシャッターが切れた。

もう終わり?と感じたのを覚えている。撮影後にカメラの裏蓋を眺める。

そう、当たり前だが撮影結果が表示されていないのだ。

撮影結果が気になって写真屋にフィルム現像に出す。だが写真屋はどこだ?

なるほどデジタルカメラ全盛の時代に押されて、写真屋が激減しているのだ。

そんなこんなで、やっとで出てきた写真は、高精細とは言い難いものであったが、なんとも味のあるものであった。

記録ではなく、写真という作品が出来上がっているそんな感覚であった。

この感覚はフィルムカメラ、それも一眼レフでしか味わえないものであると思う。

ニコンのFが世界を驚かせた時、カメラは高級品であった。大卒の初任給の6か月分とも言われている。

今で言えば100万円を超える価値のものである。

それだけの思いで作られたものは、それだけの価値を使用者に提供する。

是非ともメンテナンスして使って当時の感動を味わって欲しい。

  • 金属筐体の高級感、マニュアルレンズのピント合わせの手応え
  • デジタルカメラとは違うフィルムの味
  • 電池がなくても撮影可能