其の陸:得意技を2つ以上作ろう

こんにちは、本ブログは、柔道に興味のある〜初段取得程度までの方を対象に書いている。柔道の理解と競技人口増加の一助となってくれれば幸いである。

今回は得意技を持つことの重要性について書く。

柔道の試合において得意技を軸に攻防を行うことは、戦い方の幅を広げてくれる。

得意技とは他の技に比べて修練度、完成度、勝率の高い技のことである。

これを少なくとも2つ、理想は4つ以上作ることを推奨する。

1つ目の得意技の選び方

これはなかなか難しいが、自分の理想や、体形、才能などが影響する。

見方を変えれば、ある意味何でもよい。自己分析や練習をする中で、指導者と決めていくのもよいだろう。

また、「こいつの得意技は〇〇だ」を相手に認識させることも、相手へのプレッシャーとなる。

参考に私の場合は、自己分析の結果、主に体形で選んでいった。参考の分析結果を以下に示す

  • 身長:185cm
  • 体重:80kg
  • 手足が長い
  • 重心が高いため不安定
  • 体が硬い
  • スピードが遅い
  • パワーが少ない
  • 持久力は多め

以上より、リーチを生かした「足技」を中心に得意技を構築することとした。

そうすることで、相手の間合いの外から、一方的に先手を仕掛けることができるからだ。

この時、最も私がとってはいけない手段は、背負い投げなどの背中を見せる技や自分の重心を低くしなくてはならない技の選択だ。

恵まれた体形だが、スピードが遅く、不安定な体は、回転しようとしている間に返し技を食らうことになる。

よって、1つ目の技は「大外刈り」となった。

2挙動の動作で、相手に背を向けることもなく、自らの長所であるリーチを生かして仕掛けることができるからだ。

2つ目の得意技の選び方

1つ目が決まれば2つ目は簡単だ

「1つ目と逆方向の技」この1択だ。

「同じ方向に追い込む技」という選択肢も考えられるが、2つ目ということで、逆方向をお勧めする。

崩れかけた相手を追い込むときは同じ技で追い込めばよい。

そして、特に試合では顕著になるが、右方向に崩す技を受けた相手の重心は、なぜか左に移動していく傾向にある。

これは、 私も経験が多々あるが、試合中はある程度興奮状態にあるため、条件反射と無意識であり、本人も気づいていないと推測される。

よって私の2つ目の技は「支えつり込み足」だ。

1つの技でカバーできる崩し方向の範囲は、技によるが60°~90°程度だ。

これにより、相手は前面方向(60°)の技と背面方向(60°)の技に挟まれて、重心を前後ニュートラルにせざるを得ない。

必然的に前後方向に大きく足を開いて、構えてくるため、通常の自然体を保つことができない。

結果として、左右方向に極端に弱い状態が出来上がる。

たったこれだけで、勝率は大きく上昇する。

3つ目以降の技の選び方

これも実に簡単だ。1つ目、2つ目と合わせて「相手の逃げ道を奪うような方向の技」だ

4つ目の得意技ができるころには、選び方を間違えなければ、相手は立っていられない状態になる。

参考に私の場合の得意技(左組手)を書いてみる

  • 大外刈り(右後ろ方向)
  • 支えつり込み足(左前方向)
  • 内股(右前方向)
  • 小外刈り、大内刈り(左後ろ方向)
  • 小内刈り(右前方向の出足を刈る)
  • 出足払い(左前方向の出足を刈る)

実は右前方向が手薄なのだが、大抵上記の技で相手の間合いの外から全方向に倒すことができる。

小技を中心に攻めると隙を作りやすい。たとえ決まらなくても確実に相手の動きを止め、重心をずらしチャンスを作ることができる。

いわゆるこれも「崩し」の一種である。

今回は得意技を意識して、試合を組み立てる方法の例を書いた。

しかしながら、日々の鍛錬が最も重要であることは言うまでもない。

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