被写体の速度に合わせてシャッタースピードを選ぶ
こんにちは、今回もカメラの設定方法について書いていく。
以前カメラの設定で重要なものの中に絞り値があることを書いた。
他にも、カメラの設定項目は多くあるが、シャッタースピードについても理解していこう。
シャッタースピードとは撮影時にシャッターが開放している時間のことだ。
大抵のものは1/2000秒~バルブ(任意)まで設定できるはずだ。
高級機になるほど最大シャッタースピードは小さくなっていく傾向にある。
ではどんな時にシャッタースピードを意識すればいいのか。
それは、主により望遠側でより速く動く被写体に対して、その重要性が増していく。
それは、シャッターが開いている時間に被写体が動いた分だけブレて撮影されるからだ。
例えば、シャッタースピードを1秒に設定した状態で時速100kmで走る車を真横から撮影するときを考える。
時速100kmの車は、シャッターの解放されている1秒間に約27m進む。
すると撮影した写真は27メートル分ブレて、伸びた車が撮影されるはずだ。
車両全長が5mの車であれば、撮影された写真は32mのリムジンとなって表現される。
それはそれで、面白い表現であり、時にはスピード感や走行ラインを表現するときに効果的だ。
ただしおおよその場合は、ブレた写真は撮影意図と異なることが多い。
同様の条件でシャッタースピードを1/2000秒に設定するとどうだろう。
時速100kmの車は、シャッターの解放されている1/2000秒間に約14mm進む。
すると被写体のブレは14mmまで減少する。
結果として5mの車は14mm伸びたものとして撮影されるが、あまり問題にならないことが多いのではないだろうか。
ちなみに違和感なく視聴できる通常のビデオ撮影については、1コマ1/60秒の撮影である。
つまりは、1/2000秒は十分に高速度撮影であるといえる。
言い換えると1/60秒程度より短いシャッタースピードの場合、人間の目ではとらえきれない動きも撮影することができるともいえる。
このように被写体の動きのスピードに合わせてシャッタースピードを意識、またはコントロールしよう。
被写体ブレと手ブレ
撮影した写真がブレる原因は主に2つある。
- 被写体ブレ
- 手ブレ
前述した被写体が伸びるなどの現象は被写体ブレという。
他にも手持ち撮影時にカメラが動くことで写真全体がブレるものを手ブレという。
被写体ブレは写真の表現方法として認識されることが多い。
しかし、手ブレは主に撮影ミスとして認識されることが多い。
つまり極力手ブレを抑えて撮影することが、脱初心者のコツの一つとなる。
そのために、シャッタースピードを一定速度以上に保つ必要がある。
これは、望遠側で撮影したときにシャッタースピードを変えて撮影すれば違いを体感できる。
目安としては1/焦点距離秒程度といわれている。
55mmの焦点距離ならシャッタースピードは1/60秒程度
18mmの焦点距離ならシャッタースピードは1/20秒程度ということだ。
おおむね、1/60秒程度シャッタースピードがあれば大きく破綻することはないだろう。
ただし、手ブレには個人差やカメラのバランス、手振れ補正機能も影響するので一概には言えない。
いくつかの条件で撮影してみていい感じのところを確認しよう。
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手ブレを抑える方法
それでは脱初心者に向けて手ブレを抑える方法を紹介する。
- 両手で持つ
- 脇を締める
- ファインダーをのぞいた時に額部分で支える
- レンズとカメラの重心を体に近づける。
- シャッタースピードを短くする
- 手振れ補正機能のあるカメラ、レンズを使用する
- カメラ本体の質量を増す
- レンズを軽くする(重心を手のひらに持ってくる)
考える限りこのあたりである。
最も重要なのは体以外の揺れる部分を極力少なくすることだ。
上4つは人間の技術に依存する。
下4つはカメラの機能、性能に依存する。
この時、なぜプロが大きく重いカメラを使うのかの答えが見えてくる。
高機能で頑丈なカメラは大きく重くなるのだが、適切な大きさと重さがあるからである。
- ホールドのため手のひらにあった大きさのカメラが必要
- 表現力の幅広いレンズは大抵重い
- 全体のバランスをとるためにカメラは重い必要がある
そのため、カメラ選びの前に被写体選びや使用シチュエーション選びが重要になるのだ。
例えば、野鳥の撮影がしたい場合には大抵大型のレンズが必要になる。
それに対し、カメラが入門用ミラーレスでは間違いなく使いづらい。
旅行先でスナップ風景撮影をしたい場合、プロ用のカメラは大きく重く持ち出すのがおっくうになる。
使用想定によって使い分ける必要がある。
シャッタースピードを上げると光量が減る
シャッタースピードにおいて重要なものが光量である。
写真撮影において光のコントロールはとても重要な項目である。
光のコントロールこそがアマチュアとプロフェッショナルの境目になるぐらいであると思っている。
計算そのものは簡単だ。単純にシャッターを開放している時間に比例する。
シャッター開放時間を半分にすると光量は半分になる。
これは直感的にわかりやすい。
つまり、暗い場所や望遠レンズなどのf値の大きいレンズではシャッタースピードを上げにくいということが言える。
つまりは手ブレや被写体ブレが発生しやすい。
メインの対策としてはISO感度を上げて、短時間でも光を敏感に感じられるようにすることになる。
つまり、被写体にもよるが大抵は開順序で設定、選定していけばよい
- f値の選定
- シャッタースピードの選定
- ISO感度の選定
これらを理解して撮影できれば、もう初心者ではない。
まとめ
- 被写体に合わせたシャッタースピードを選定する
- 手ブレと被写体ブレを意識する
- 手ブレは極力抑える工夫をする
- シャッタースピードと光量の関係を理解する