絞り値、シャッタースピードと比較してISO感度の選択は簡単だ
こんにちは、今日も元気にメンテナンスしていこう。
今回はカメラの設定であるISO感度について書いていく。
前回までで、絞り値やシャッタースピードについて書いてきた。
カメラ設定3項目の最後がISO感度である。
この項目を最後に持ってきたのは、選択が簡単であるのと優先順位が低いと思っているからだ。
ISO感度とは文字通り撮像素子の感度のことで、入ってくる光量に対する感度、増幅率を表すものだ。
何も難しいことを考えるまでもない。
ISO感度を2倍にすると光量が2倍になったのと同じ効果が得られる。
言い方を変えるとISO感度を2倍にするとシャッタースピードが2倍にできるということだ。
そして、ISO感度の設定は大抵の場合ISO200にしておくだけだ。
これでシャッタースピードが稼げる光量であれば何も問題はない。
あとは、撮影環境の光量に応じて足りない分だけISO感度を上げていくだけである。
確かに、なんでISO200に設定するの?MAXにしとけばいいじゃないと思うかもしれない。
しかし、世の中そんなにいいことばかりではないのが常である。
もしも常にMAXで事足りるなら、設定項目にもならないだろう。
ISO感度を上げる明確なデメリットとしては光量情報だけでなくノイズも増幅されることである。
電子機器はノイズとの戦い
ノイズとは雑音と訳されるが、目的と異なる電気情報、電圧の変化のことである。
ラジオのザーという音がそれであるが、それはノイズ情報がアンプで増幅されて音に変換されただけに過ぎない。
通常の使用では気づけないが、電子機器はノイズの塊である。
この電気回路中に走り回るノイズが増幅率を上げることによって、写真にまで写り込んでしまうのだ。
これもISO感度を最大まで上げて、薄暗いところで撮影してみれば体感できる。
よって、撮影環境の許す限りISO感度を下げて撮影することになる。
そのため、プロの撮影現場では照明が使われたり、フラッシュがたかれたりする。
そうすることで、ISO感度を下げた状態でもシャッタースピードが稼げるようにしているのだ。
つまりはISO感度を上げるのは最後の手段といえる。
ドラゴンボールで例えるならば界王拳的な位置づけである。
そんな上げるのを躊躇するようなISO感度であるが、同時にメーカの腕の見せ所でもある。
カメラの仕様によって、どの程度までISO感度を上げてもノイズが気にならないかが異なるのだ。
各社ともこのノイズ処理技術とスピードを競っているのだ。
しかしながらこの技術、対策にものすごいコストがかかるため圧倒的なノウハウと作業量が必要になる。
車で例えるならば静音対策に似ている。
電子機器も人には感じられないが、部品という部品からノイズが放出されている。
それを一つ一つ対策して全体のバランスをとっていくのだ。
考えただけでも気の遠くなる作業だ。
高性能化のために部品を増やして負荷を増大させるほどノイズも増大する。
ただこれも、被写体や撮影環境によってはオーバースペックとなることが多い項目だ。
晴れた日の屋外での撮影なら一切気にする必要はない。
夜景をスナップで撮りたいとか、羽ばたくハチドリの羽を静止画のように撮りたいとかでなければ問題ないだろう。
ざっくりではあるが、最近のカメラであればISO200~1600くらいまでは問題なく撮影可能なはずだ。
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ISO感度を上げられるカメラがお買い得
最近のノイズ処理技術の向上がカメラシステムの常識を変えた。
ノイズ処理技術の向上はISO感度を上げてもノイズを目立たなくした。
実用ISO25600などという機種も存在する。これはすごいことである。
考え方を変えると絞り値、解放f値の大きいレンズであってもシャッタースピードが稼げるということだ。
カメラシステムで最も高級となり得るものはレンズである。
そのレンズの価格は主に開放f値で決まるといっても過言ではない。
開放f値3.5のレンズと1.4のレンズでは1.4のレンズが高級品である。
そして大抵は絞り値f1.4で撮影することはほどんどない。
それは被写体深度、つまりはピントの合う位置があまりに狭く使いどころが限られるからだ。
結果としてカメラシステム全体のコストを押し下げることができる。
さらに高いISO感度は暗いところでも被写体深度の広い写真が撮れるなど撮影自由度を高めてくれるだろう。
またオールドレンズを楽しみたい人もその恩恵を受けることができる。
そんな背景を受けて、暗所撮影の得意なSONYの7Rⅱはヒット商品となった。
やはり被写体や撮影環境を勘案してのカメラ選びが重要であることがわかる。
特に気にならないならISO感度はオートでもいいくらい
手持ちのカメラでいくつかのISO感度で撮影した結果気にならないようであればオート設定で問題ない。
私もISO200~1600でオート設定としている。
特に問題は感じていないが、大抵800か1600で撮影されているようだ。
撮影結果も特に気にならない程度である。
他記事で書いた通り、絞り値とシャッタースピードのほうが重要な設定項目である。
今後もメンテナンスや設定情報について書いていく。
今回はここまで、それではまた。
まとめ
ISO感度を上げるとシャッタースピードを上げられる。
ISO感度を上げるとノイズが増える。
ISO感度の設定は可能な限り200に近づける
ISO感度を上げるのは最後の手段