押さえておきたいキーワード「標準化」

標準化とは何か

こんにちは、今日も技術士目指してキーワード学習をやっていこう。

今回は外せないキーワード「標準化」について書いていく。

実に幅の広い分野で使われる言葉であるため、かなり書きにくい内容である。

しかし、実際の問題では登場する機会の多い単語であるので、取り上げておきたい。

まずは、技術分野における標準化とは、単純化や統一化することをいう。

例えば実際の業務で標準化プロジェクトというものが立ち上がったとする。

そして、製品A、B、Cを標準化せよというミッションが与えられる。

すると製品A、B、Cの要件をすべて満たしつつ、部品点数を削減した製品Dを開発するなどといった対応になる。

なら最初から単純化と統一化って言えばいいじゃないとすごく思うが、それが専門知識ということらしい。

これらの知識を積み重ねていくことがキーワード学習である。

標準化の考え方のポイントとしては、確かに単純化、統一化をすることで製品群全体で見ると効率化が実現できる。

しかし、一方で製品単体で見ると単純化、統一化するための設計的な余白を残すことになるので、一見無駄な部分が出てくる。

例えば、BMWの3シリーズという車を例にとると、いくつかのグレードを同一の外観で作り上げている。

320iと325iと330iなど排気量の異なる3種以上のエンジンをほぼ同じ寸法のエンジンルーム、車体に収めている。

それでいて、前後の重量が配分を50:50に近づけなければならない。

結果として、最も大きくて重い6気筒3000ccのエンジンを基準に設計を進めることになるだろう。

そうすると最も小さい4気筒2000ccのエンジンを搭載した場合、エンジンルームはどうしても大きめになってしまう。

3シリーズ全体での標準化設計としてみると、QCD(品質、コスト、納期)ともに最適解とできる素晴らしいプロジェクトである。

ただし、モデルごとに見れば、すべてのモデルで不要な部品やスペースが生まれ、スペックにも改善の余地が見え隠れする。

他にも追加仕様、設計変更へのインパクトが大きくなる点も見逃せない。

上記3モデルの出来がよく、優秀なセールスを飛ばしたとする。

そのあとで、V型8気筒3500ccターボエンジンを積みたいのでラインナップを追加せよとなった場合などは考慮が必要だ。

当然だが、そのインパクトはすべてのモデルにおいて設計変更を余儀なくされる。

すごろくでいえば「スタートへ戻る」に等しいインパクトだ。

標準化で削減したコストを上回るほどのインパクトがある場合、標準化しないというのも一つの選択となり得るのである。

つまりは、製品コンセプトである概略設計を確実に行うことが、標準化で成果を出す前提となる。

製品コンセプトが揺らぐと最悪の場合、標準化したつもりが、共通部分のほとんどない多数の製品群が出来上がることになる。

標準化は必須キーワード

実際はこの単語の意味自体を技術士試験で問われることはない。

「標準化について述べよ」というだけの設問はほとんどない。

どちらかというと設問の中に標準化という単語が使われる可能性のほうが高い。

設問の例を挙げると下記だ。

「標準化する製品の例を1つ挙げ、プロジェクト推進者の立場から、予測できる問題を3つ挙げ、その解決策を述べよ」

この時、「標準化ってなんやねん」とならないようにするためのキーワード学習である。

技術士試験では、上記のような形で専門知識を問われることになる。

この1つの設問で技術士に必要ないくつかの資質を同時に試している。とても効率的な設問である。

このように日々の業務においても自問自答しながら4年ほど経つと技術士にふさわしい考え方が身につくということらしい。

考え方を身に着けたうえで試験対策を実施することで、技術士へ近づけると思っている。

ちなみに実際の設問については日本技術士会のホームページの過去問題から確認することができる。

まとめ

  • 標準化とは単純化や統一化をすること
  • 技術士試験において標準化は必須のキーワード
  • 技術士に求められる資質を意識して業務を行う