改めて聞かれると難しい嵌め合いの考え方

嵌め合いってなんだっけ

こんにちは、今日も技術士目指してキーワード学習をやっていこう。

今回のテーマは嵌め合い、または嵌合(かんごう)について書いていく。

よく「勘合」と誤変換されることがあるので注意しよう。

嵌め合いとは軸と穴の組み合わせの関係のことである。

文字にするとこれだけらしいが、実際にはもう少し説明が必要だろう。

機械構造物において軸は重要な役割を果たすことが多い。

回転物の軸や位置決めの軸として使用されることがある。

そして、嵌め合いは大きく分けて3種類ある。

  • すきまばめ
  • しまりばめ
  • 中間ばめ

確かに大学で習ったような内容でうっすら記憶がよみがえってきた。

すきまばめ

3種類の中で最もわかりやすいのは「すきまばめ」であろう。

軸の直径に対して大きい軸穴に組み合わせる方法だ。

組み立ての後に分解する場合や回転機構、スライド機構が必要な場合に選択される。

この軸と軸穴の隙間を調整することで感触や性能を調整していくことができる。

ビタッと決まると実に気持ちのいい感触となる。

応用の幅も広く、多くの構造に利用されている。

軸の組み合わせといえば、大抵すきまばめが思い浮かぶ。

身近な例としては、卒業証書を入れていた円筒ケースやお茶入れのケースなどだろう。

軸と軸穴の隙間が大きすぎれば、いつの間にか蓋が外れてしまう。

軸と軸穴の隙間が小さすぎれば、蓋を開閉しづらくなってしまう。

この隙間がいい感じのになるところを狙うのが技術者の腕の見せ所である。

また、設計の考え方として、寸法のばらつきがあるので、100個作ると100個寸法の違うものが出来上がる。

これをどこまで許容するかを決めるのが嵌め合い公差設計である。

嵌め合い公差については、JIS B0401にて取り決められている。

しまりばめ

すきまばめと異なり軸より軸穴のほうが小さいものを圧入するのが「しまりばめ」だ。

これも目立たないが、よく使用される組み合わせである。

大抵は金属材料が使用され、組み合わせ後の分解は想定されていない。

接着や溶接が難しい箇所であってもしまりばめであれば対応可能な構造もある。

確かになんで穴よりも大きい軸が嵌まるのかということだが、言ってみれば無理やり嵌めている。

そのままでは嵌まらないが、圧力で穴と軸を変形させることによって嵌め合わせている。

そのため、軸と穴が変形によって破損しないことを別途確認する必要がある。

つまりは金属のようなものには使いやすいが、ガラスのような硬いものには使いにくい。

中間ばめ

ちょっと理解しがたいのが「中間ばめ」である。

文字通り「すきまばめ」と「しまりばめ」の中間の寸法関係である。

部品公差の範囲、つまりは部品寸法のばらつきで軸に対し穴が大きかったり、小さかったりする組み合わせだ。

いったい何に使うのか想像できないが、通常選択することはない。

すきまばめでは緩すぎて、しまりばめではきつすぎるといったギリギリの寸法を狙うときだけだろう。

モノとしてはかなり厳しい要求になることは想像に難くない。

調べてみたところ実際に使われている場面もあるようだ。

以上3種類の嵌め合いを組み合わせの目的によって選択する。

まとめ

  • 嵌め合いとは軸と穴の組み合わせの関係のこと
  • 嵌め合いの種類は3種類、目的によって選択する
  • 嵌め合いは公差設計が重要